小麦粉と米粉

米粉を使ったパンなどをよく見かけるようになりました。

米粉は小麦粉に含まれる「グルテン」を含まないので、小麦アレルギーの方でも食べることができるなど、色々なメリットがあります。

しかし、中々、米粉パンがメインにはなりません。

原因としてはいくつかありますが、まずひとつが「米粉の方が価格が高い」というものがあります。一般的に倍以上の価格差がありましたので、原料として使用するのは現実的はありません。

ふたつ目は「一般的に小麦のパンの方が美味しい」というものがあります。もちろん、好みによる差はありますが、食べ比べると「小麦のパンの方が美味しい」という人が多いと思います。

その他、「そもそも米粉だと膨らまない」とか「手間や時間が掛かる」など、色々な問題があり、なかなか米粉のパンは普及していない状況です。

ただ、ロシアが小麦の大産地であるウクライナに侵攻したこと、アメリカやカナダの小麦が不作であったことから国際的に小麦の相場が急騰しています。また、急速な円高(今現在で125円程度)が進んでおり、小麦の多くを輸入している日本国内での小麦価格は大変なことになりそうです。

このままのペースで行くと、米粉と小麦粉の価格差は少なくなりますし、輸入に頼らずに国内で賄えている米を原料とした米粉が見直されるかもしれません。

小麦は食品業界に深く関わる食材になるので、小麦の相場、為替相場などは定期的に確認しておく必要があるでしょう。

令和4年4月12日

オリンピックとコンセプト

もうすぐ北京オリンピックが開幕されます。新型コロナウイルスの影響はどうなるんでしょうか?

オリンピックと言えば、昨年は東京オリンピック、パラリンピックが開催されました。

当時、開会式の演出を見て思っていたのですが、より多くのコストを掛けているオリンピックの開会式の演出よりも、パラリンピックの開会式の演出の方が印象的で、記憶に残るような気がしました。

実際、今でも様々な個性を持った飛行機が集まっていたパラエアポートの記憶が残っています。片翼の飛行機を演じた少女のことも覚えています。

オリンピックもゲーム音楽で選手が入場したことは覚えていますが、あまり鮮明には覚えていなかったりします(私だけかもしれませんが・・・)

この違いは「コンセプトの明確さ」だと、個人的には理解しています。

オリンピックの開会式については「日本らしさ」を訴求したのだとおもうのですが、日本という概念は大きく、まとまりを欠いたような気がします。

一方でパラリンピックは「多様性」ということで、かなりコンセプトが明確だったと思います。それだけ伝わりやすかったのでは無いでしょうか?

基本的には、どちらの大会も成功したと思いますが、開会式における「コンセプトの大事さ」を再認識させられた大会でもありました。

店舗コンセプトや商品コンセプトを考える際にも、「明確でわかりやすい」コンセプトメイクを心掛けたいと思います。

令和4年1月30日

ホームページの効果

先日、事務所のホームページの問い合わせフォームから、業界誌への寄稿の依頼をいただきました。

わりと有名な業界誌なこともあり、お引き受けすることにしました。

いままでも業界誌へ寄稿した経験は何度かあるのですが、知人からの紹介ばかりで、ホームページから直接依頼をいただいたのは初めてです。

実際、ネット記事へはたくさん寄稿しているので、依頼が来てもおかしくはないのですが、ホームページを持っていなければ依頼をいただけてなかったと思います。

補助金などで「ホームページを作成する」というテーマで申請することは多いですが、今は「ホームページがあるのが当たり前!」な社会環境なので、有効な手段だと思います。

今回は業界誌からの寄稿依頼でしたが、今までもホームページ経由で民間企業様からの仕事依頼や支援機関様からのセミナーの依頼などを年に何度かはいただきますので、私のような業種(中小企業診断士や士業など)の方もホームページは有効な手段と言えるでしょう。

令和3年12月3日

天高く馬肥ゆ~好機に警戒を怠らない

少し前までは暑かった夏も、すっかり秋の気配を感じるようになります。

秋になると思い出すのが「天高く馬肥ゆる秋」という言葉です。

なんだか、食べ物が美味しくて、馬も肥えるようなイメージがありますが、もともとの意味は実は異なります

この格言は「天高く馬肥ゆ」というのがベースになります。

使われる場面としては「天高く馬肥ゆるの候」として、手紙を書くときの時候の挨拶として利用されます。

意味としては、夏の暑さが落ち着き空は高く澄み渡り、馬が食欲を増し肥えてたくましくなる季節、つまりはすがすがししく過ごし易い秋を表す言葉になります。

しかし、この言葉のもともとの意味は異なるものになります。

昔、中国の北方で遊牧生活を営んでいた騎馬民族は、春から夏にかけて馬を肥えさせ、食料が無くなる冬が来る前、つまりは秋の収穫時期になると、逞しく肥えた馬を駆って中国に攻め込んできたそうです。

もともとの意味は「季節の良さ」ではなく「警戒をうながす」言葉だったのです。

この2年、新型コロナウイルスの影響で経済は大きく停滞しましたが、ワクチン接種が進み、効果的な飲み薬も年内には登場する予定なことから、年明けから景気が回復に向かうものと思われます。

来年は季節であれば「収穫の秋」になる可能性もあり、積極的に行動を起こす企業も増えるのでは無いでしょうか?

景気回復の見込まれる来年を「天高く馬肥ゆる季節」だとすれば、「季節の良さ」だけではなく、本来の意味である「警戒」についても注意を払う必要があると言えるでしょう。

自社のチャンスはライバル企業に取ってもチャンスになります。景気回復期にある来年は、ライバルの動きが活発になることが予測されるので、ライバルの動きを注視して、対策を練りながら慎重に、時には大胆に動く必要があるでしょう。

今までは、新型コロナウイルスの影響でライバルの動きも遅かったので、自社が動かなくても大きな差は付かなかったかもしれませんが、景気が良くなっている時期になると、ライバルが動き出すので、自社が動かないと取り返しのつかない事態になりかねません。

来年はいろいろな動きがあります。新型コロナウイルスから経済を立て直すため、様々な景気対策が講じられると思われます。既に補助金なども多く公募されています。

物事には表があれば必ず裏があります。良いことがあれば、その逆のこともあるでしょう。「天高く馬肥ゆ」の意味を忘れず、市場の動き、ライバルの動きを見ながら、好機を逃さず足をすくわれないように取り組みたいものです。

令和3年9月27日

新型コロナウイルス禍でご依頼いただくセミナーの変化

本年度、昨年度に続いて新型コロナウイルスの影響で仕事にも色々な制限が出ています。

遠方への出張が少なくなったり、セミナーに制限があったりと、色々と影響はでていますが、幸いなことに、個別相談が増えた結果、トータルでの仕事量はあまり変わらない感じです。

ただ、セミナーでご依頼いただいた内容を見てみると、「創業セミナー」「経営計画作成セミナー」がほとんどででした。

今まで、ご依頼の多かった「商品開発セミナー」「販路開拓セミナー」は全くない状況で、代わりに「創業セミナー」「経営計画作成セミナー」が増えた感じです。

新型コロナウイルスの影響で、補助金を申請したり金融機関から融資を受ける事業者様が多いので、経営計画作成セミナーのご依頼が多いのは想像できますが、創業セミナーのご依頼が多いのは、新型コロナウイルス禍の中でも創業しようと考えている人が増えているのかも知れません。

新型コロナウイルス禍で閉店する店舗が増える一方、創業を目指す方も増えています。

たまたまではありますが、本年度、多くの創業セミナーをご依頼いただく機会を得ましたので、新型コロナウイルスが終息してから地域の経済が早く立て直る一助になるよう、リスクを背負って創業を目指す事業者をしっかりご支援したいと思います。

ただ、私は小売業出身なので「商品開発セミナー」「販路開拓セミナー」にはそれなりに自信があったので、少し残念な気もしますね。

令和3年9月25日

第二回公募:事業再構築補助金の採択結果が公表されました!

先日、9月2日に事業再構築補助金第二回公募分の採択結果が公表されました。

緊急事態宣言特別枠採択結果

通常枠の採択率は40%弱、緊急事態宣言特別枠の採択率は70%台後半となっています。

どちらも、前回の第一回公募分より10%程度は採択率が上がっているようです。

特に「緊急事態宣言特別枠」の採択率である70%台後半は、補助金の中でも採択率は高い状況となっていますのでおススメだと思います。

第三回目の締め切りが9月21日18:00になっていますので、早めに準備を進めましょう。

令和3年9月5日

GビズIDを活用しましょう!

先日、「GビズIDセミナー」を担当させていただきました。

「GビズID」は、補助金の申請や、様々な行政サービスをインターネット上で行うことができるサービスで、アカウントを取得することで複数の行政サービスを利用することができます。

「持続化補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」などの補助金申請、「経営力向上計画」「事業継続力強化計画」などの事業計画の認定申請社会保険の手続き飲食店の営業許可申請などをインターネットで行うことが可能となります。

手続きは下記のホームページでできます。

GビズIDトップページ

これにより、様々な行政手続きを「電子申請」することができるようになるのですが、ちょっと面倒な気もします。

しかし、電子申請になると郵送などの手間がなくなるので効率的ですし、行政の窓口が空いている時間を気にしなくても良いですし、基本的な会社の情報を毎回入力する必要もなくなりますし、書類への押印なども不要になります。

これにより、時間が有効活用できますし、コスト削減にもつながります。

セミナーではパソコンを準備し、その場で一緒に登録を行う形式で進めました。パソコンに不慣れな参加者様もいらっしゃいましたが、それでも頑張ってみなさん登録手続きを済ませることができました。

登録完了には2週間ほど時間がかかりますので、補助金などの申請を目指している方は、早めに手続きをしておきましょう。

令和3年8月8日

顧客情報の分析手法について

店舗の売上を向上させるには、顧客ニーズに対応していくことが欠かせません。

しかし店舗には毎日、何百人ものお客様が訪れることから、一人一人のニーズに対応することは難しいでしょう。

それを解決する手段が、顧客属性の活用です。顧客属性を活用して顧客をグループ化することで、対象を絞り込んだ効果的な施策を講じることができます。

顧客属性は、顧客の特徴を把握して、店づくり、品揃え、販売促進などの施策を考えたり、実行したりすることに活用できます。

小売業へのPOSレジなどの導入が進んだことで、顧客属性は以前より効率的に取得できるようになりました。それに比例して顧客分析の重要性は増しており、取り組み次第で業績が左右されるといっても過言ではありません。

顧客属性や顧客情報を分析する手法について、国内利用率No.1の電子チラシサービスのShufoo!様で、コラムを執筆させていただいています。興味のある方はご覧いただけたらと思います。

Shufoo!コラム「顧客属性とは?顧客属性を集客につなげるための分析方法3つ」

顧客属性のデータを収集することでさまざまな分析をすることができ、効果的な施策を講じることができます。また、顧客属性の活用は、分析して施策を検討することはもちろん、施策を実行した後の効果検証も重要です。

顧客情報を効果的に活用し、店舗の魅力向上、売上の向上に取り組みましょう。

令和3年8月5日

取引先との健全な取引関係を構築するためには?

消費の低迷により、多くの小売業では売上の減少が続いています。

その影響もあり、食品メーカーなどには値下げ要求が強くなってきています。

経営を改善する場合、もっとも影響の大きい箇所から見直しをすることがセオリーになりますが、小売業の場合、コストの大半は「仕入」になるので、必然的に、まず仕入先への値下げ交渉から取り組むことが多くなります。

一方、食品メーカーについても同様に、経営の改善が図られますが、原料の高騰している業界では、仕入コストを下げることは難しい状況です。

また、大量に原料を仕入れる大手企業の方が有利になるので、中小の食品メーカーの仕入れ環境は更に厳しい状況になります。

そのため、製造工程の見直しや、人員削減に取り組むなどして、なんとか利益を出すために血の滲むような努力を行う企業も少なくありません。

しかし、血の滲むようなコスト削減よりも、取引先への値下げの方が圧倒的にインパクトが大きいのが実情です。

ある食品メーカー様から、将来的な取引先との付き合い方や営業のスタンスをどのように考えたら良いのか?という相談を受けました。

その理由は前述したような実情があるのですが、現状の売上を維持するためには、値下げ要求をお断りする等といった思い切った取り組みはなかなかできないとのことでした。

特に「経営陣」と「営業担当者」とで、取引先に対する考え方も異なり、営業のスタンスが定まらないようです。過去の取引の経緯などを知る「経営陣」や「古株社員」に対して、「営業担当者」は短期間で入れ替わることも多く、情報が異なることから考え方が一致しないことも多くあるようです。

このような企業にアドバイスする場合、まず、取引先毎の棚卸シートを作成することをおすすめします。主要な取引先毎に、過去数年間の取引額推移、粗利額推移、取引を継続するために必要なコストや評価指標等の数値情報を整理し、更に、経営者と営業担当者の情報を加えることで、関係者間で情報を共有し、取引先との取引のスタンスを考える資料として活用していきます。

下の画像はイメージです。たいした様式ではありませんが、原紙必要な方はメールでご連絡ください。

無題

この資料だけで、取引先の値下げ要求をお断りすることはできませんが、中期的な視点で「どこの取引先を重視していくのか」ということや、条件が悪ければ「時間をかけて取引先を変更していく」などの方針を考えることが可能になります。

健全な取引関係を構築することは一朝一夕ではできません。場当たり的な対応をするだけではなく、ある程度、長いスパンで計画的に取り組むことが大切と言えるでしょう。

令和3年8月4日

小売業で収益を上げる方法とは?

企業を経営する上で、「収益」を出していくためには「売上」を確保することと「経費」を抑えていくことが重要になります。

昨今の厳しい経済環境の中では、「売上」を上げていくことは難しいので、「経費」の削減に関する相談を受けることが多くなっています。

「経費」の中で大きな割合を占めているのは、仕入れや製造コストなど「原価」に関わる部分と、店舗などを運営していく上で必要な「人件費」などになります。

この中で「人件費」については、オペレーションや段取りで大きく変わる要素があるので、取り組み次第では大幅な削減が可能になります。

小売業の場合、製造業と違って作業の効率化が難しいイメージがありますが、段取りを変えることで効率が良くなることが多くあります。

例えば、今までは、商品入荷→商品陳列→倉庫整理だった段取りを変更し、商品入荷→倉庫整理→商品陳列とすることだけで、作業スペースが確保でき、トータルでの作業時間が大幅に短くなることもあります。

取り組む際のポイントとしては、まず「時間がかかっている作業から順番に改善に取り組む」こと、そして「作業の順番を入れ替える」「置き場所や作業場所を見直す」「できるだけ移動距離を少なくする」「個人の特性(男女など)や経験に合わせて作業分担を見直す」「作業の外注化を考える」「思い切って作業を無くす」などがあります。

しかし、最も重要なポイントは、上からの押し付けではなく、現場の人達が「自分達で考えて取り組む」ことです。

今までの作業を他人から指示されて見直すことには抵抗を感じる人も少なくありません。これは「自分の仕事を否定された」と感じるからです。

自主的に取り組む仕掛けをすることで、より円滑な効果が期待できるでしょう。

令和3年8月1日