萩焼の窯元を訪ねて

少し前になりますが、萩市にある萩焼の窯元「大屋窯」を訪ねました。
大屋窯は、1969年に濱中月村さんが開窯した窯元ですが、
現在の当主である、濱中史郎さんにお会いしてきました。

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大屋窯の一角にある濱中史郎さんのアトリエは、
黒を基調とした、緊張感がありながらも、
落ち着いた雰囲気に包まれた空間でした。

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黒で統一された室内に白いものがありました。
よく見るとそれは頭蓋骨でした。

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実物のようにリアルですが、これは濱中史郎さんの
作品とのことでした。
「逆さにすると鉢に見えるでしょう?」
という 史郎さんの説明を聞くと不思議と
納得させられます。

そのほか、古代の土器など、
いろいろなものが体の一部と似ているといった
お話を聞かせていただくうちに、
いつのまには時間が過ぎていました。

「どのような気持ちで新しい作品を生み出すのですか?」
という私の質問に対して、史郎さんは、
「自分が欲しいと思うもの、必然的なものをつくるんです。」
と答えてくれました。
当たり前の答えのようですが、深い言葉です。
自然体で仕事に取り組む史郎さんの人柄が
表れている言葉だと思います。
「誰かに認められたい」とか「良いものをつくりたい」と努力するのではなく、
「自分がつくりたいものをつくる」ことに努力する。それが必然的な
作品を生み出し、人から評価されているでしょう。
私自身、仕事のスタンスなどを見つめ直すきっかけになりました。

お話を聞かせていただいた後は、母屋をご案内していただきました。
こちらも素敵な空間で、美術館のようでした。

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帰り道に猫がいましたが、しっかりと萩焼の器を使っていました。
猫の色もやはり「黒」でした。

最後に、記念写真を撮らせていただきました。
素晴らしい作品をつくり続ける著名な方ですが、
気さくにいろいろなお話を聞かせていただけました。
ありがとうございました。

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大屋窯を訪ねると素敵な作品に出合うことができますので、
萩にお越しになられたら、ぜひ、お立ち寄りいただけたら
と思います。




平成24年5月7日

小江戸散策に学ぶ

埼玉県川越市を訪問してきました。

川越は、中世は河越と呼ばれていました。
歴史好きな方でしたら、太田道灌を思い出す方も多いと思います。
また最近では、NHKの連続テレビ小説「つばさ」の舞台になって
いましたので、そちらの方が有名かも知れません。

川越は江戸に近く、重要拠点でもあったので、
徳川幕府に近い藩主が封ぜられました。
江戸の衛星都市として栄えた川越は、小江戸と称され、
現在でもその街並みを残しながら、街づくりに活かされています。
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江戸時代風の建物だけではなく、昭和や大正時代風の
建物も多く、街全体で良い雰囲気を醸していました。
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歴史的な街並みを活かした街づくりは、各地で行われて
いますが、その中でも、ここ川越は、ひと通りも多く、
とても栄えているように感じました。
「つばさ」効果があるとはいえ、個店がしっかりと
頑張っており、単なる「土産物屋」から一歩も
二歩も踏み込んだ、本物志向の商品を販売
している店も多くあり、散策するのがとても
心地よい街でした。

全国各地に、昔風に建物を建て、街並みだけを
似せている観光地が多くありますが、置いてある商品は
月並みであったりします。

では、川越は何が違うのでしょうか?

川越には、建物だけではなく、老舗の風格や
商人の心が残っており、それが商品や売場に
現れているように感じました。

商売は人と人との真剣勝負。
物真似は直ぐに見破られます。

偽りのない商売が支持されるのは、
過去も現在も普遍です。

たまには、歴史を紐解いて、商売の
在り方を勉強してみるのも良さそうです。

 

平成21年11月9日

酒蔵訪問記

たまたま機会があり、広島県の安芸津にある「今田酒造本店」さんを
見学させていただきました。

「富久長」という銘柄の日本酒を醸造されていますが、商標登録して、
今月で100周年を迎えるそうです。おめでとうございます。

一年ほど前、東京の飲食店で「富久長」を口にしましたが、とても香りが良く、
すっきりと飲みやすいお酒だったことを覚えています。
東京の地で、「広島の酒は美味しいなぁ」と誇りに思いました。

杜氏の方に、いろいろとお話をお聞きしましたが、仕込みの時期は
なかなか自宅に帰れないほど、手間暇をかけ、何か月も蔵に
籠りっきりになるそうです。
美味しいお酒を造るためには、考えられないほどの努力が
隠れていることを改めて認識させられました。

日本酒に限らず、本当に良いもの、美味しいもの、身体に良いもの、
安全なもの等は、原料を厳選し、加工に手間暇をかけています。
大量生産により、効率的に安価な商品を製造する大手メーカーと、
中小企業が差別化し、競争していくためには、これしかありません。

しかし、当然、コストがかかり、そうでない商品よりも価格は高くなります。

商品を高く販売するためには、その価値を伝えなくてはなりません。
多くの中小企業が努力を惜しまず、こだわり抜いて作った商品ですが、
その価値をお客様に伝えて行くことはなかなか難しいものがあります。

では、どのように価値を伝えていけば良いのか?

次回からの春秋雑記では、この「価値を伝える」ことについて、
考えてみたいと思います。

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平成21年8月5日