香港のスーパーマーケット⑤

シティスーパーの話題は今回で最後です。

知人に紹介されて訪問したシティスーパーですが、
最初はあまり期待してはいませんでした。
どちらかと言うと、日本の小売業は、市場としては
アジアを有望と捉えているものの、店作りはアメリカを
参考にすることが多く、あまりアジアの小売業を
見ていないのが実情です。

しかし、シティスーパーは、見るべき価値のある店舗でした。

賑やかな雰囲気や、独特の生鮮食品は、まぎれもなくアジアですが、
豊富な輸入品や、酒売場、デリカ売場は、アメリカのスーパーの
ようでもあります。また、洗練された売場作りや清潔さ、細やかな
サービスは日本のスーパーのようでもあります。店舗の広さも、
アメリカよりは日本に近い規模です。

「各国のスーパーの良いところを採り入れた店舗」

という表現が適しているかも知れません。
これは、資本主義と社会主義が共存し、
歴史的に欧米の影響を受けてきた香港
という土地柄が大きく影響しているのかも
しれません。もちろん、色々な人種の方が
住んでいることもあるでしょう。

シティスーパーを紹介していただいた知人から
聞いた話では、シティスーパーは、日本の流通業で
働いていた方が創業した会社とのことでした。
日本人から見て、良い店なことも頷けます。
また、日本に縁のあるスーパーが、
海外で人気を獲得していることは嬉しく思います。

日本の流通業のレベルは、世界的にも高くなってきたと
思います。食品の品質も世界トップレベルなものが多くあります。
発展を続けるアジアで、日本の流通業が活躍する場は多く、
まだまだ残されているように思います。

現在、日本からは、大手流通業の進出が目立ちますが、なかなか現地の
流通業や、欧米の流通業との差別化が難しいと感じました。

シティスーパーは、大手流通業ではなく、地元密着型の高級スーパーです。

シティスーパーのように、大手流通業では無い、日本の良さである
「品質」や「サービス」で差別化した高級スーパーが進出する
可能性が残されているように思います。

いつの日か、アジアのスタンダードになるような、
日本発の流通業が登場することを期待したいと思います。

 

平成21年10月26日