売場レイアウトの見直しで経営改善を図る

毎年、複数の小売店様から売場レイアウトの相談を受けています。

相談内容としては、以前に比べて売上が厳しくなったスーパーマーケットの業績改善や、新たに開設される商業施設の開発計画になります。

それぞれ目的は異なりますが、共通する視点としては「お客様の利便性」と「店舗運営の効率性」が挙げられます。
業績が悪化している店舗の場合、売場レイアウトを変更するだけで、売上を大幅に改善させることは難しいですが、過去よりも売上が大幅に減少している店舗の場合は、売場レイアウトの改善で在庫を大幅に減少させることが可能になります。

理屈で考えると、現在の売場は過去に売上が1.5倍や2倍であった時を基準に売場づくりをされているハズなので、現在の売場は売上に対して過剰に陳列棚や品揃えが多くなっている可能性があります。

その場合、在庫を抑えるために陳列棚がスカスカになっていたり、売場の一部に売れない雑貨が大量に滞留していたり、売場そのものが資材置場になっている場合も見受けられます。

売場レイアウトの変更は、これらを改善することになるので、売上への好影響だけではなく、在庫削減にも大きく寄与する取り組みになります。

実は、店舗改善の第一歩は「在庫削減」と言っても過言では無いほどの重要事項になります。

また、本来の目的である、売場レイアウトの変更で売上を向上させるためには、お客様が商品を選び易く、快適に買物できる売場に変更することで、売上の向上に繋げるわけですから、売場レイアウトの変更に合わせて売場提案力の向上や、季節感のある売場作り、POPの見直し、商品構成の見直し、品質管理の徹底、特定カテゴリーの強化、競合店との差別化戦略など、本来取り組むべき基本的な改善策に取り組む必要があります。

売場レイアウトの見直しは万能薬とは言えませんが、その他の薬(改善策)の効き目を良くする効果があるので、相乗効果を図ることを意識して定期的に取り組むと良いでしょう。

令和3年5月31日