萩焼の窯元を訪ねて

少し前になりますが、萩市にある萩焼の窯元「大屋窯」を訪ねました。
大屋窯は、1969年に濱中月村さんが開窯した窯元ですが、
現在の当主である、濱中史郎さんにお会いしてきました。

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大屋窯の一角にある濱中史郎さんのアトリエは、
黒を基調とした、緊張感がありながらも、
落ち着いた雰囲気に包まれた空間でした。

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黒で統一された室内に白いものがありました。
よく見るとそれは頭蓋骨でした。

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実物のようにリアルですが、これは濱中史郎さんの
作品とのことでした。
「逆さにすると鉢に見えるでしょう?」
という 史郎さんの説明を聞くと不思議と
納得させられます。

そのほか、古代の土器など、
いろいろなものが体の一部と似ているといった
お話を聞かせていただくうちに、
いつのまには時間が過ぎていました。

「どのような気持ちで新しい作品を生み出すのですか?」
という私の質問に対して、史郎さんは、
「自分が欲しいと思うもの、必然的なものをつくるんです。」
と答えてくれました。
当たり前の答えのようですが、深い言葉です。
自然体で仕事に取り組む史郎さんの人柄が
表れている言葉だと思います。
「誰かに認められたい」とか「良いものをつくりたい」と努力するのではなく、
「自分がつくりたいものをつくる」ことに努力する。それが必然的な
作品を生み出し、人から評価されているでしょう。
私自身、仕事のスタンスなどを見つめ直すきっかけになりました。

お話を聞かせていただいた後は、母屋をご案内していただきました。
こちらも素敵な空間で、美術館のようでした。

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帰り道に猫がいましたが、しっかりと萩焼の器を使っていました。
猫の色もやはり「黒」でした。

最後に、記念写真を撮らせていただきました。
素晴らしい作品をつくり続ける著名な方ですが、
気さくにいろいろなお話を聞かせていただけました。
ありがとうございました。

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大屋窯を訪ねると素敵な作品に出合うことができますので、
萩にお越しになられたら、ぜひ、お立ち寄りいただけたら
と思います。




平成24年5月7日