エルニーニョ現象、ラニーニャ現象とは?

前回、今年の夏の天候の予想について書きましたが、そこで登場した「エルニーニョ現象」「ラニーニャ現象」について説明したいと思います。

エルニーニョ現象とは、太平洋の赤道域にある日付変更線付近から、南アメリカ大陸の沿岸部分にかけての海面水温が、平年より高くなることが続く現象になります。逆に、同じ海域の海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれます。

エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、天候の異常に要因になると考えられており、日本の場合では、エルニーニョ現象が発生した時は「冷夏」「暖冬」になる傾向が高くなりますが、ラニーニャ現象の場合はその逆で「猛暑」「厳冬」になる傾向が高くなると言われています。また、ラニーニャ現象の場合は、夏には雨が多くなる傾向があり、冬には記録的な豪雪になることもあるそうです。

エルニーニョ現象が発生しているときには、南アメリカ大陸側から吹きこむ風が弱くなり、太平洋の西部から東部にかけて、広い範囲の海面水温が高くなるので、平常時より東側で積乱雲が発生します。この場合、海水温の観測海域である太平洋東部の海水温が高くなるわけです。

一方、ラニーニャ現象が生しているときは、南アメリカ大陸側から吹きこむ風が強くなり、海水温が高くなる場所が太平洋の西部に偏り、平常時より西側で積乱雲が発生します。この場合、海水温の観測海域である太平洋東部の海水温が低くなるわけです。尚、ラニーニャ現象の場合、海水温が高くなるのが太平洋の西部に限られるため、積乱雲は通常時より大きく発達する傾向が強くなります。

気象のことを勉強しても役に立つかどうかはわかりませんが、「今年はエルニーニョだから冷夏暖冬になりますよ」とアドバイスした時に、「そもそもエルニーニョってどういう状況なんですか?」と質問されないとは限らないので、少しは勉強しておいた方が良いかもしれません。もっと詳しい話を知りたいからは、気象庁のホームページなどで調べてみてください。

令和3年4月28日