季節指数の使い方

小売業の売上高は、季節や該当月の特長によって大きく左右されます。

大雨であれば来店客数は減少しますし、一方でカップ麺や缶詰のような保存食、乾電池などは販売数量が伸びるでしょう。

また、「盆」や「年末」といった、セールスピークのある月の売上は大きくなり、催事の無い月の売上は少なくなります。これら、季節や該当月の特徴を掴む手法が季節指数になりますが、その算出方法方は下記のようになります。

◆ 季節指数の算出手法
・過去3年間の月別売上高を用意し、月別に3年間の合計と平均値を求める
・3年間の売上高合計を総月数(12ヶ月×3年)で割り、月平均を算出する。
・各月の平均値を月総平均で割り、季節指数を算出する。

過去3年間の売上から一か月あたりの月平均売上を算出し、また、3年間の月別平均売上を算出し、月別平均売上と全体から算出した月平均売上との差異を見て傾向を把握します。もし、7月の平均売上が全体の月平均売上の105%であれば、7月の売上は平均より5%高い傾向であることがわかります。

このように季節指数を算出することで、「2月は平均より売上が少ない」「8月は平均より売上が多い」と言うような、月毎の傾向がわかるので、これを「商品の発注」「在庫量の基準」「人員シフト」などに活用することが可能になります。

もし、大雨の時の指数を算出することができれば、大雨の際の発注やシフトに活用することも可能になります。さらに、算出方法を応用して、「曜日指数」を出せば、日別予算の策定に使用することもできます。

過去には売上高では無く、総労働時間から「労働時間の曜日別指数」を算出し、曜日ごとの売上平均と比較することで、曜日別の労働時間と売上が連動しているかを調べ、労働時間の負荷の平準化やコスト削減に取り組み、効果が上がったこともあります。

工夫次第で季節指数の考え方は色々な場面で活用できます。特にシフト管理や予算作成に有効なので、機会があればお試しいただけたらと思います。

令和3年7月2日