私の志集①

新宿駅の西口で「私の志集」を販売されている方をご存知でしょうか?

「私の詩集」では無くて「私の志集」になります。

ある意味、「都市伝説」になっているようです。(インターネットで検索したら色々と情報は出てきます)

私が初めて「私の志集」を販売されている方をお見掛けしたのは大学4年の時になります。卒業が近くなって時間がある時に東京や鎌倉を旅行した時になるので、1993年になると記憶しています。(今現在、2021年から見ると28年前になります)

その日は、慣れていない新宿の街をひとりでふらふらと歩いていたと思います。時間は21時くらいだったと思いますが、新宿駅に向かって歩いていると柱の陰に女性の方が立っているのを見かけました。

全体的に黒い服装で、小柄な女性が「私の志集 300円」と書いたボードを持って、まっすぐ前を見つめて立っていました。

当時、ハタチそこそこで田舎者の私は、ただただ驚いただけで、速足で通り過ぎたことを覚えています。東京にはいろんな商売があるなぁ・・・と思いました。

ほんの一瞬の出来事でしたが、新宿のひと波に逆らって、まっすぐ前を見つめる姿が印象的で、長い間そのことを忘れることはありませんでした。

東京の友人などに聞いても、「知らない」という人が多く、「知っている」という方も「見たことは無い」とのことで、私のように実際に「見たことがある」という人には会ったことがありませんでした。

もしかしたら、夢だったんだろうか・・・と思っていた頃もありました。

令和3年9月2日