商品価値の伝え方②

商品価値の伝え方①では、まず最初に

「価値を伝える相手(ターゲット)を明確にする」
「ターゲットの求めているニーズを把握する」

以上の2点について説明してきました。
この次に必要なこととしては「スイッチ」を探すことがあります。

お客様に価値が伝わり、購入へと繋げるためには、
「購買動機」のスイッチを入れる必要があります。
このスイッチは、顧客毎ごとに異なり、また、商品ごとに
異なりますが、「価値を伝える相手(ターゲット)を明確にする」
「ターゲットの求めているニーズを把握する」というプロセスを
経ていれば、ある程度見えてきます。

例えば、「土産物」を例とした場合、どのような「スイッチ」が
考えられるでしょうか?

まず、「土産物」の特徴としては、「地域ならではの食材を使用している」
「観光地のネーミングが入っている」「地域性のあるユニークなデザインである」
といったものがありますが、これらは、土産物店に並ぶ商品であれば、
いずれかを備えており、「購買動機」のスイッチとしては強くはありません。
もちろん、あまりにも有名で定番化した商品や、デザイン性が圧倒的に
優れた商品もありますが、それは稀なものです。その場合、「知名度」や
「秀逸なデザイン」がスイッチになっているといえます。
しかし、全ての商品がそのスイッチを取り付けることはできません。

それでは、一般的な土産物のスイッチは何になるのでしょうか?

そのヒントは、「商品価値の伝え方①」で登場した
「価値を伝える相手(ターゲット)を明確にする」
「ターゲットの求めているニーズを把握する」
に隠されています。

まず、土産物のターゲットは「観光客」になります。
次に、土産物の特徴は「人に贈る商品」であるということです。
つまり、購入者のニーズは「人に贈って喜ばれたい」という
ことになります。また「使い勝手が良い」ことも重要です。

まず、「人に贈って喜ばれたい」については、贈る相手によって、喜ばれる価値が
異なります。大人に贈る場合でも、「男性」「女性」で嗜好は異なりますし、
「甘い物が好き、嫌い」「お酒を飲む、飲まない」など、様々な要素があります。
贈る相手の嗜好に応えることのできる商品かどうか、シンプルでわかりやすい
情報を伝えることができれば、それは有効なスイッチとなります。
もちろん、商品そのもののこだわりを伝えることは大切なのですが、
観光客が短時間で土産物を探す場合、購入動機につながる、わかりやすい
スイッチをつけることが有効になります。

一方、「使い勝手が良い」についてですが、まず、観光客は遠方から
来ていることが多いので、長時間持ち運ぶという特徴があります。
その場合「生もの」は敬遠される傾向がありますが、「保冷材付きで
長時間持ち運べる」というサービスと情報があれば、購買動機の強い
スイッチになります。また、旅行は荷物が多くなりがちですから、
「持ち運び易い大きさ」ということもスイッチになります。
また、職場にお土産を持って帰ることも多いですから、「コンパクトで
数が多い」ことや、「個包装で配り易い」ということもスイッチとなります。

土産物を例として、「購買動機のスイッチを探す」ことについて
説明してきましたが、この「スイッチ」こそが、商品価値を伝える
一つの方法になります。
どのような情報が、顧客の購買動機を刺激するかを考え、伝えるべき
情報を的確に発信することが、商品価値を伝えることになります。

実際のスイッチを考えてみると、暗闇であっても電気が付け易いスイッチや、
色が付いていてわかりやすいスイッチもあれば、わかりにくいスイッチも
あります。どちらが便利かは明白です。

 

まとめ:商品価値の伝え方②

「顧客の立場に立って、購買動機のスイッチを考える」

 

平成21年8月13日