「消費者ニーズ」と「女性ニーズ」と「バイヤーニーズ」の違い

最近、「新商品開発」や「販路開拓」に関する研修の依頼が多くなっています。

このような研修では「作り手志向のプロダクトアウトから、買い手志向のマーケットインに変わらなくてはならない!」ということが多く語られます。私も、同様の話をしますし、事業を行う上で大切なことです。

マーケットインの考え方では「消費者のニーズ」が大切であると説明されます。中には、「女性の視点で商品開発を行うことが大切だ」と言われる場合もあります。これは、特に女性講師の方が使うことが多い、女性ならではの切り口ですが、食品などであれば、確かに購入者の大半が女性ですから、もっともらしいです説明ですし、納得性も高いです。

しかし、消費者視点や女性視点でのモノづくりは大切なことですが、それだけでは「商品が売れる」というわけではありません。売れる商品には「バイヤー視点」も大切になります。最終的に商品は消費者や女性が購入しますが、その前の段階で、小売店の店頭に並ぶ必要があります。商品を仕入れるかどうかはバイヤーが決めますから、実はバイヤーのニーズに合わせることも大切なのです。

バイヤーのニーズと消費者ニーズにはギャップがある場合も多くあります。特に、バイヤーは男性が多いですから、女性ニーズとは大きなギャップが発生します。店頭に並んで売れる商品は「消費者ニーズ」「女性ニーズ」に合った商品ですが、同時に、バイヤーニーズに合わせることも意識して、商品開発や販路開拓を行った方が、より高い効果が期待できます。ですから、バイヤーと話をして、ニーズを掴む必要があるのです。

私自身、小売業の経験が長いので「新商品開発」や「販路開拓」の研修依頼が増えているのはそれが理由なのかもしれないと思っています。

令和3年6月5日