補助金採択率の違い

先日、補助金申請のお手伝いをさせていただいた事業者様とお会いした時の話です。

その業界では、設備投資の補助金申請を行うのに際し、メーカーがコンサルタントを使って申請書の作成サポートをしてくれるそうなのですが、50社程度で申請をしても数社しか採択されないとのことでした。

採択、不採択関わらず、数十万円の負担があるとのことで、困っているとの話でした。

そちらの事業者様については、商工会を通じた支援を行い、無事に採択されたのですが、あまりにも採択率が悪いので原因を考えました。ちなみに、同じ補助金について、昨年度、私が関わったのは7件で6件が採択を受けました。(あと、詳しくは覚えていませんが、この数年で不採択になったのは昨年の1件だけでした)

原因①:メーカーのコンサルタントの質が低い?
・一応、それなりの金額を支払っていますし、専門家なので可能性は低いと思います。実際、申請書を見てもそれなりに良く書けていたりします。

原因②:その業界の取り組みは補助金で採択されにくい?
・状況証拠だけではそのうように見えますが、違法な業界ではありませんし、当方でお手伝いさせていただいて採択されたので、これも違うと思います。

原因③:一連の支援で作成した申請書の内容に何か問題がある?
・これが一番可能性が高いと思われ、何かの要素があるように思われます。この場合、何かの条件を全ての申請書でチェックしているような気がします。

ここで思い当たるのが、最近、補助金の申請書が電子申請になっていることです。

従来は紙ベースでの申請だったので、全て読み込まなければチェックはできませんでしたが、電子データでの申請であればチェックは容易になります。

何かの条件で「書いてはいけない内容」などがあれば、すぐに調べることができるハズです。

「書いてはいけない内容」を考えると、例えば「文献などを勝手に引用している」ことがあるかもしれませんし、「同一の内容で申請されている」ようなことがあるかもしれません。

理屈で考えれば、ベースの申請書があれば、同業他社であれば少し内容を修正すれば他の会社でも申請書を作成できます。もし、そのような申請書をチェックしているのだとすれば、同じグループで申請書を作成したら引っかかる可能性があります。

事実はわかりませんが、色々とお手伝いさせていただく中で、採択率がまったく異なっていることが気になっています。

もちろん、過去の申請書は参考になりますし、何らかのベースになる様式があった方が申請書を作成しやすいのですが、ある程度、オリジナリティのある内容になるように、知恵を絞って作成した方が良さそうな気がします。

令和3年6月10日