星空撮影に便利なアストロトレーサー

先日、星空の撮影について書きましたが、星空を撮影する際にはいろいろと注意するポイントがあります。

大きなポイントとして「星が流れる」というものがあります。

暗い星空を撮影するには光を多く取り込む必要があるので、「大きなレンズを使う」「ISO感度を適度上げる」ことに加え、「シャッターを長く開放する」必要があります。 シャッターを開けっぱなしにすれば、少しずつ光が入ってくるので、時間を掛けることで十分に星の瞬きを捉えることが可能になります。

ところが、多くの方がご存知の通り、星は常に動いています。 空を見上げていてもなかなか気づかないのですが、実は結構なスピードで動いていて、20秒以上(レンズのサイズにもよります)、シャッターを開放していたら星が流れてしまいます。

ちなみにどの程度のスピードかと言うと、一日に地球が一周、つまりは365度動くわけですから、365度÷24時間で、1時間あたり15度ほど星の角度が変わることになります。

星を流れずに撮影するためには、星の動きに合わせてカメラの角度を変えることのできる「赤道儀」を使う必要があります。

「赤道儀」はなかなか便利な代物なのですが、そこそこお値段がするので、よほど本格的に星空撮影をする人でなければ買いにくい商品になります。

私の場合、たまたまペンタックスの一眼レフカメラを使っていたので、アストロトレーサーO-GPS1を使うことで星空撮影が可能になりました。

このアストロトレーサーは、カメラ本体に内蔵した手ぶれ補正機構を使用することで、簡易的な天体追尾撮影が行なえる装置です。GPSから取得した緯度で天体の動きを算出しているので、シャッターを長時間解放しても綺麗に星空を撮影することが可能になります。50㎜以下のレンズで300秒の追尾が可能な機能を持っています。

このアストロトレーサー、ペンタックスにしかない装置なのですが、私も初めは知りませんでした。

実際に使ってみるとなかなか便利ですし、赤道儀よりも低コストで買えますし、軽くて使いやすいので、ペンタックスのカメラをお持ちの方にはおすすめです。

令和3年8月10日