師の言葉③

広野先生の言葉の3回目となります。

さて、私の勤め先はスーパーマーケットでした。

広野先生は会議や研修の場で、過去に実績のあるコンサルティング、研修先として、誰もが社名を知っているような「自動車メーカー」「最大手の家電メーカー」などの社名を挙げられていました。

受講者からは「スーパーマーケットや流通業界を知らないコンサルか!」と言った雰囲気が見え隠れして、さらには業界人としてのプライドもあって、広野先生と本音で議論する人間もいたと思います。

一方で私が感じていたのは、「その割に広野先生は流通も詳しいなぁ」ということであり、その旨をお話しました。

広野先生からは、「あー、私は流通大手のコンサルティングをしていたからね」という回答があり、実際に最大手のスーパーマーケットのコンサルタントをしていたことがわかりました。

思わず、「何故、流通業のコンサルタントをしていて業界に詳しいことを皆に伝えないのですか?」と聞いたところ、

「私が、業界の最大手のコンサルをしていたことがあり、業界に詳しいことを言ったら皆が萎縮して意見を言わなくなっちゃうでしょ?私は業界のことを知らないふりをして、彼等のプライドを刺激しながら進行したほうがスムーズに進むと思わない?」と言われました。

コンサルタントとしていると、人にものを教える立場から、「自分はその業界に強い」ということを打ち出してしまいたくなるのですが、敢えてそれをしないことで衝撃を受けたのを覚えています。

正直、なかなか真似できずにいますが、どこかの場面では広野先生の立ち居振る舞いを参考にした対応を行いたいと思っています。

令和3年10月28日