アドバイス内容の備忘録(小売業の経営構造編)

昨日、ある小売業様から相談を受けていました。

収益の改善に取り組みたいという相談でしたので、まず、最初に決算書や試算表を見せていただきました。

もともと、品揃えや経費の見直しを相談したいという内容だったのですが、そのような場合でも、まずは数値を見ることから始めます。

私が小売業の数値を見るときは、まず最初に「荒利率」「売上対人件費比率」を見ます。

ここでは少し数値はフェイクを入れますが、こちらの小売業様は荒利が30%、売上高対人件費比率が20%ありました。業種的に見て荒利は平均以上で優秀です。

しかし、数値だけ見たら人件費が高すぎます。

荒利30%ー人件費20%=10%しか残りません。

自社物件で家賃が0円なら大丈夫な可能性もありますが、地代家賃を払って、その他の経費を支払えば黒字にするのは経営構造的に不可能です。

また、荒利がもともと高いので、これ以上の荒利アップは望めないですし、このご時世、売上の大幅なアップは難しいでしょう。

そうなると人件費に手を付けることをメインに対策を考えます。

ある程度、荒利率と売上対人件費比率の目安を持っておけば、色々な経営指標を計算したり、経費の中身も見なくてもある程度の判断ができますし、短時間で経営改善のアドバイスが可能になります。

もちろん、業種やその会社の特性もあるので、絶対ではありませんが、これを基準にしてヒアリングすることで、概ね感覚を掴むことができるのでおススメです。

令和4年2月18日