アドバイス内容の備忘録(生産工程の改善編)

少し前になりますが、工場の生産工程の改善についての相談を受けました。

私は小売業出身なので、正直、あまり得意では無いテーマだったのですが、ご依頼に対応するために現地調査を行いました。

現場の生産工程の確認、整理整頓、見える化、時間計測など、色々と着手したのですが、既にある程度の改善に取り組んでいたこともあり、大きな問題点は見つかりません。

それでも「納期遅れ」が深刻な問題になっている状況でした。

ここの事業者様は、工場が複数の拠点に分かれていたので、各拠点を回って調査しても特に大きな問題点は見つかりません。

ふと、図面を見たところ、手書きで何かの日付が書いてありました。

第一工場で「この日付はなんですか?」と聞いたところ、「第二工場に送る日付」と言われました。

次に、第二工場で「この日付はなんですか?」と聞いたところ、「最終出荷の日付」と言われました。

第一工場と第二工場で、締め切りの日付認識が異なっていたのが納期遅れの原因でした。

まさか、日付の認識が異なるとは思っていなかったとのことで、この工場については、日付の定義を明確にすることで納期遅れを改善することができました。

このような、「ルールの認識が異なる」ことは、製造業、小売業、サービス業などの業種を問わず発生する可能性があります。

そんなこと「あたりまえだから確認する必要ないだろう」という意識が最大の問題点だと言えるでしょう。

このようなミスを無くすためには、何事も「あたりまえを疑うことを忘れない」ように取り組む必要があります。

令和4年3月30日

アドバイス内容の備忘録(ホームページ作成編)

先日、ホームページ作成についての相談をお受けしました。

補助金を活用してホームぺージを作成し、ホームぺージで物販もしたいという内容でした。

一応、基本的な内容についての整理、アドバイスを行いましたが、それとは別のアドバイスも行いました。

ホームページの場合、お金を出して業者に依頼してしまえば作成は簡単に済みます。しかし、ホームページに掲載する情報は自分自身で考えなくてはいけませんし、内容の更新も必要になります。そうなると、自分自身で取り組むことは相当程度あります。

事業者様のスタンスによりますが、「お金を出してホームページを作成したら終わり」と考えている場合が多く見受けられます。その場合、ホームぺージ開設後に「お金を掛けたのに効果が出ない」状況になりがちです。

それならば、初めからコストを掛けずに、SNSを使った情報発信と販売機能を持つだけで十分かもしれません。今は初期投資無しで販売サイトを持つことは簡単にできます。

余計なお世話になるだろうと思いながらも、ホームページを作成したいという相談者の方には、必ず、「本当にホームページが必要なのか?」「開設後に自分で運用できるのか?」といったことをお話するようにしています。

令和4年3月26日

アドバイス内容の備忘録(ワーケーション編)

コロナウイルスの感染拡大後、ワーケーションの事業化に取り組みたい、といった相談が多くなりました。

ワーケーションというのは、ワークとバケーションを組み合わせた造語になります。つまり、観光地などの休暇先で、リモートワークをする過ごし方のことを言います。

お話を聞いてみると、ワーケーション施設の運営や事業化に取り組みたい相談者様は、対象となる町で完結させるような取り組みを検討されていることが多いような気がします。

個人的な考え方なのですが、おそらくワーケーション施設を利用したいと思う人は、その町だけで過ごすのではなく、近隣の町も含めた周辺エリアを見ているのではないかと思います。

そもそも、中山間地域などでワーケーションをするとしても、数日もすれば飽きてしまいます。

自分自身に置き換えて考えれてみると、例えば自分自身が場所を選ばないで仕事ができるフリーランスで仕事としていると仮定して、尾道にしばらく住んで仕事をするとします。

もちろん、尾道で仕事をして暮らしながら観光も楽しむと思いますが、恐らく週末には鞆の浦に観光に行ったり、広島市や宮島まで足を延ばすと思います。

更には、尾道であれば「しまなみ海道」があるので、四国にも観光に行くでしょうし、高速道路の尾道松江線で松江市や出雲市にも観光に行くと思います。

これなら、半年くらいはワーケーションが楽しめそうです。

ワーケーションで事業化を目指す時に、「わが町にお金を落としてもらう」という考えではなく、「利用者にどのように楽しんでいただくか」を考え、周辺エリアを巻き込んだ取り組みやPRする方が良さそうな気がします。

令和4年3月19日

アドバイス内容の備忘録(オンラインでの売場アドバイス)

先日、オンラインで事業者様の相談対応を行っていたのですが、売場を見てアドバイスして欲しい!という要望がありました。

ちょっと遠方であることと、新型コロナウイルス禍での移動制限もありますので、ちょっと難しいな・・・と思っていたのですが、このままオンラインでしてください!という話になりました。

タブレットを使って売場を見ながらアドバイスを行ったのですが、なかなかわかり難い面もあります。

その為、いくつか事前準備をしてから、改めてオンラインでアドバイスを行うことにしましました。

あまり大げさな準備をしていただくのは恐縮なので、とりあえず最低限の内容として、以下の3つだけお願いしました。

①売場レイアウトの図面を用意する

②売上上位商品のリストを用意する

③相談したい内容を事前に整理する

これを元に、売場レイアウト図を見て気になるところに移動していただいて映像を映していただいたり、売上上位商品のリストを見ながら主力商品の売場映像を映していただいたりしながら、事前に整理していただいていた相談したい内容に沿ってアドバイスを行いました。

感想としては、事前に準備しておけばそれなりにアドバイスできるな・・・という印象です。

もちろん、直接、現地に行くより勝ものはありませんが、新型コロナウイルス禍の中では有効な手段だと思います。

令和4年3月14日

アドバイス内容の備忘録(サブスク編)

先日、「サブスク」についての相談を受けました。

「サブスクリプション」の略で、製品やサービスを購入するのではなく、一定期間の利用料金を支払うような仕組みになります。

利用者からすると、購入では無いので気軽に試すことができますし、また、毎月、一定の金額で自由に利用することができるので、たくさん利用すると割安になります。一方、売手サイドからすると、毎月、安定した収入を得ることができるといったメリットがあります。(他にも色々なメリット、デメリットがあります)

良さそうなサービスですが、当然、使わなければ損をしてしまいますし、先日の新聞では亡くなられた利用者の口座から引き落としが続いていることが問題になっていました。

メリット、デメリットのあるサブスクですが、色々なサービスで導入が進み、消費者の選択肢が増えたという点では良いサービスが登場してきたと思います。

一方で、「買い切りたい!」をいうニーズも必ず残りますので、敢えて「サブスクをしない!」という販売方法もありだと思います。

消費者の選択肢が増えたからこそ、商品の特性、価格帯、客層に合わせて最適な販売方法を考える必要があるでしょう。

令和4年3月9日

アドバイス内容の備忘録(原価計算編)

先日、「原料の見直し編」について書きましたが、その流れで思い出した内容を書きます。

最近、食品関連の原価が高くなっており、売価の見直しが進んでいます。

これは、そのような売価見直しの動きが無かった昔の話です。

ある時、お客様のスーパーマーケットを訪問している時、社長から「惣菜部門について、売上は変わっておらず、ロスも変わっていないのに利益が落ちている。何が原因だろうか?」と相談を受けました。

かなり悩んでいるようでしたが、「あぁ、それは原料が上がってるんですよ」と即答しました。

社長は納得してないようだったので、「この10年くらい、惣菜の売価を上げてないことはないですか?小麦も油もじゃがいもも高くなっていますよ。しばらく原価計算していないでしょ?」と追加で説明をしました。

そうすると、社長は「あっ、そうかも」という顔をされました。

実際に、惣菜の商品数アイテムの原価を計算してみると、設定していた原価より、仕入れベースから算出した原価が高くなっています。

このお店では、売価を上げることでなんとか収益を改善することができました。

製造業と異なり、小売業のスーパーマーケットは原価管理が甘いことが多くあります。

定期的な原価計算を行うこと、そして売価を見直すことがオススメです。

令和4年3月7日

アドバイス内容の備忘録(原料の見直し編)

これは少し前の話になります。

このアドバイス、実はとても効果があったものになります。

ある老舗食品メーカー様ですが、元々の原料が高いことと、製造に手間が掛かっていたことから、本業では収益が出ていない状況でした。

営業外の収入があるので、経営には問題のない優良企業なこともあり、なかなか改善が進みませんでしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、経営改善に取り組むことにしました。

アドバイスの内容は、メインの原料に原価の安い他の食材を入れた新商品を開発することでコストを下げることです。

アドバイスとしては当たり前のような内容になりますが、成功させるポイントとしては「原価の安い他の食材を入れることで、より商品が魅力的になる」ということと、「既存商品と共食いしない」ことになります。

商品の価値を下げてしまっては逆効果ですし、新商品が売れても既存商品が売れなくなってしまっては効果が限定的になってしまいます。

条件としては、「メイン材料」と「原価の安い他の材料」の原価の差が大きい必要があります。

この老舗食品メーカー様は、大幅な黒字に経営を改善することができました。

実現には、社内の調整など、色々と困難はありましたが、とても効果の出た事例になります。

このアドバイスは、色々な場面で応用できる内容だと思います。

令和4年3月4日

アドバイス内容の備忘録(ジビエの調査編)

本年度、ジビエの調査を行う機会がありました。

調査内容をここに書くことはできませんので、一般的な話と感想を少し書きたいと思います。

実際に猟師の方やジビエ加工施設の方にヒアリングを行ったりすることで、様々な気づきがありました。

調査を行ってみると、意外なことに若い人の参入が増えているようでした。

全国組織の猟師のグループがあったり、学生が参画していたり、中にはゲームのモンスターハンターのような打ち出し方をしている地域もあるようです。

一方、実際にジビエを取扱う立場である飲食店サイドでは「どのように取り扱うか」が課題になっているようで、なかなか普及していないのが実情のようです。

あたりまえですが、「ジビエを採取するサイド」「ジビエを利用するサイド」の両方をキチンと整備して、需要と供給のバランスを維持できるようにすることが重要ですね。

令和4年2月27日

アドバイス内容の備忘録(プログラミング教育編)

プログラミング教育が小学校で必修化されます。

先日、このプログラミング教育について相談を受けていました。

その時の話の一部になります。

子供や保護者の方に「プログラミング教育が大切と伝えるのが難しい」という相談を受けていました。

将来、プログラマーになるわけではないのに・・・と考える人もいますし、受験にどのように活用できるんだろう?社会に出てどのように役に立つんだろう?と思うのは自然な考えだと思います。

学習指導要領には「プログラミング的思考を育む」「コンピューター活用力」「各教科などでの学びとの連動」と書いてあります。

なんだか、わかるようなかわらないような内容です。

個人的な考え方でアドバイスをさせていただきましたが、「プログラミングはコンピューターとのコミュニケーション手段」と説明させていただきました。

正しいかどうかはわからないですが・・・

日本人同士のコミュニケーションには「日本語」

外国人とのコミュニケーションには「外国語」

コンピューターとのコミュニケーションには「プログラム」

が必要になります。

人間であれば、あいまいな表現やちょっとしたミスにも柔軟に対応してもらえますが、コンピューターにはあいまいやミスは許されません。

そのため、コンピューターのルールをしっかりと覚えてミスが無いようにプログラミングする必要があります。

また、言語の伝え方には「単語」「文法」などが大切ですが、「わかりやすい文章表現」も重要です。プログラムにも、わかりやすいプログラムとわかりにくいプログラムがあります。わかりやすい文章にも、わかりやすいプログラムにも「論理的な思考」が重要になります。

このような感じでアドバイスをしていきました。

詳しいことは書きませんが、ざっくり説明すると、プログラミング教育で「論理的思考」が養えますし、例えば「ミスがあることを前提にして被害を最小限に抑えるようなプログラムを作る」ような考え方も身に付くと思われます。

どれも仕事や社会で必要なスキルだと思います。

プログラミング教育で、どのようなメリットがあるのか?を明確にすることができれば、新しいビジネスチャンスが見えてきそうな気がします。

令和4年2月26日

アドバイス内容の備忘録(1つの商品に依存しない編)

昨日は事務所でたまっていた事務作業をしていたので、2月上旬の話を書きます。

小規模な食品メーカー様の相談対応をしていました。

ある原料を使った加工品を製造していたところ、とても引き合いが強いので増産していきたいという相談でした。

もちろん、売れる商品を増産するのは当然なのですが、その場合、原料が継続して確保できるかどうか確認することが必要な旨をアドバイスしました。

当然、確認されていると思うのですが、時期が経つと市場が変化している可能性もあるので、改めて念を入れて確認することが必要です。

引き合いが強い商品は、当然ながら他の会社にも注文が増えているはずなので、原料の相場が上昇したり、そもそも数が足りなくなったりする可能性があります。

このような場合は1つの商品だけではなく、別の原料使った商品を製造したり販売することをおすすめしています。

事業の柱を1本に頼るのは原料調達はもちろん、ブームが去っても危険ですし、できるだけ複数の事業の柱を作る方がリスクを回避できる可能性が高まります。

売れるものは、誰もが欲しいので、すぐに市場環境が変化します。

念には念を入れて対応を考えることが必要です。

令和4年2月23日