チェルシーテラスへの道

イギリスの作家「ジェフリー・アーチャー」の小説です。
上巻と下巻に分かれており、少しボリュームがあります。

この物語には、多くの人物が登場しますが、各登場人物が同時進行で、テンポ良く、
場面展開していきます。様々な視点で描かれるストーリーは読み応えがあり、
一気に読み終えてしまいます。これも作家の力量でしょう。

八百屋の息子「チャーリー・トランパー」は、最初の商売を家業である街角の
八百屋からはじめましたが、その商才を活かし、最後には百貨店を築きあげる
までの人物になります。壮大なサクセスストーリーで、それだけでも楽しめる
のですが、私がこの本を好きなことには理由があります。

成功した「チャーリー」にも引退の時が訪れます。
上院議員にもなり、悠々自適な人生のチャーリーですが、ある時、不可解な
行動を始めます。会合などに出かけては、行方不明になるので、周りの人間は
心配して探し回ります。しかし、チャーリーはなかなか見つかりません。

チャーリーは、最初に八百屋を始めた場所で、手押車を引き商売をしていました。

この主人公は、本当に商売が好きだったのです。

私も、スーパーマーケットに入社した当時は、青果物を販売していました。
会社が大きくなるにつれて、また、自分のポジションが変化するにつれて、少しずつ、
商売から遠くなっていくような気がしました。(言いかえればお客様から遠くなる)
今となっては、更に離れてコンサルタントをしているわけですが・・・

この本を読むと、自分が「商売」が大好きだったこと、新入社員として青果物を
販売していた時のことが、鮮明に蘇ります。ですから、初心に戻りたいときには
読み返すようにしています。

今も、スーパーマーケット等、小売店に関する仕事をすることが多いですが、
初心を忘れず、商売の心を忘れず、理論だけではない実践的なアドバイスを
行いたいと思っています。

商売を志す方には、ぜひ、読んでいただきたい1冊です。(上下巻の2冊ですね)

 

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平成21年8月1日