中小企業診断士の仕事③

中小企業診断士の仕事内容について書いていますが、前回、独立系の中小企業診断士の主な仕事内容として、下記の5つの仕事について書きました。

①民間企業を対象としたコンサルタント

②中小企業基盤整備機構や財団のマネージャーやアドバイザー

③商工会や商工会議所の専門家派遣

④研修やセミナーの仕事

⑤執筆や出版の仕事

今回は、この中の「①民間企業を対象としたコンサルタント」について書きます。

民間企業のコンサルタントが、恐らく、一般的にイメージできるコンサルタントの仕事でしょうし、中小企業診断士になるなら、最初に目指す目標になるのでは無いでしょうか?

正直、私は得意な分野では無いので、たいしたことは書けませんが、今まで、数社の民間企業のコンサルタントをさせていただいた経験があります。

元々の勤め先から紹介されたこともあり、創業当初から顧問契約をいただいて、やや規模の大きな会社で、毎週、経営会議に参加するような仕事もありましたし、ホームページ経由でメールで相談いただいた小さな商店と契約して、毎月、売場指導に訪問したりと、なんだかんだと色々な会社のお手伝いをさせていただきました。

仕事のやりがい、難易度、費やす時間、など色々と特徴はありますが、個人的に大変だと思ったことは、「なかなか契約が続かない」ということです。

これは、私の力不足が原因かもしれませんが・・・

民間企業向けのコンサルティングの場合、何かのプロジェクト的な仕事をお引き受けすることが多いので、「営業会議の見直し」「コスト削減」「店舗リニューアル」「新商品開発」のようなテーマで支援を行います。

当然、そのテーマが解決してしまえば、仕事がなくなってしまいます。

大抵の場合、半年、1年、長くても2年くらいで契約終了という場合が多いです。

恐らく、優秀な中小企業診断士の方であれば、次のテーマを提案して契約を継続したり、すぐに次の契約先を探して、しっかりと仕事を受注し続けるのだと思います。

その場合、提案力や営業力が極めて重要になると思います。

私の場合、以前は優秀なスタッフさん(元の勤め先の同僚さんです!)がいて、仕事をどんどん受注してくれていたので、自分自身で営業をすることが無くても済ました。

一時期は売上の6割から7割を民間企業向けのコンサルタントの仕事が占めていたと思います。

しかし、数年後、スタッフさんが結婚を機に退職、引っ越ししてしまい、民間向けのコンサルタントの仕事のウエイトは少なくなってしまいました・・・

営業面どころか、業務面も頼りきっていたので仕方ありません・・・

幸運なことに、民間向けの営業をスタッフさんに任せていたおかげで、私個人はその他の分野の仕事に注力して受注を増やすことができていたので、会社全体の売上のボリュームを大きく落とすことにはなりましたが、個人としての収入面や生活面に大きな影響はありませんでした。(退職による人件費減や事務所縮小による家賃減などでコストダウンできたこともあります)

あまり民間企業のコンサルタントをしてこなかった私個人の印象ですが、

「民間企業向けのコンサルタントは契約を続けるための提案力が必要」

「民間企業向けのコンサルタントは常に次の契約を受注する営業力が必要」

といったものがあります。

その代わり、収入面でのリターンが大きいので魅力的な側面もあります。

ただし、他の分野の仕事を受注するような余裕はなくなると思いますし、景気が悪くなると契約を切られることもある不安定さもあります。

顧問契約先の金融面でのサポートや、補助金のサポートなど、毎年のように続いていく仕事を引き受ければ、長く契約を続けることもできると思います。

ただし、その場合、前職からの経験が活かせるとか、コンサルタントとしての実績を積んでおく必要があると思います。

令和3年9月30日