ホテルのサービス事例について⑥

【インロック】

今から20年前に宿泊した「オテル・リッツ・パリ」での経験の続きです。

ホテル内にある、有名なレストラン「レスパドン」での食事を終え部屋に戻ると手元にカードキーがありません。

そう、部屋にカードキーを置き忘れる「インロック」をしています。

日本国内ならともかく、外国で、しかも「オテル・リッツ・パリ」です。これはかなり恥ずかしいことになります。

仕方なく、フロントに行ってカタコトの英語で「鍵を部屋に忘れました」というと、「部屋番号は何番ですか?」と質問されます。最低なことに部屋番号も覚えていません。

続けて、「部屋番号を覚えていません」と答えると、「お名前を教えてください」と質問があり、無事に新しいカードキーを出していただけました。

これも、まったく珍しくないように見えますが、この時の全ての対応がにこやかで、「あたりまえ」のように対応していただけました。

全ての対応でわかりやすい英語で、優しく対応していただけたので、まったく恥ずかしい思いや嫌な思いをすることはありませんでした。

この時の旅行では、他のホテルにも宿泊しており、部屋に絵葉書を忘れて取りに帰ったり、お店の予約をお願いしたりと、色々とフロントのお世話になることがありましたが、こんなに普通ににこやかに対応していただけたのは初めてでした。

母国語の国のホテルであれば、何も感じることはなかったのだと思いますが、言葉が不便な外国でこそ、「親切なサービス」「暖かい対応」は身に染みたのだと思います。

日本国内であれば、こんな気持ちにはならなかっただろうと思います。

令和3年11月26日