小規模事業者持続化補助金のポイント振り返り

前回、小規模事業者持続化補助金(一般型)について、締め切りが近づいているとお知らせしましたが、今回は申請書の記載方法について書きます。

とは言いましても、過去に10回シリーズで持続化補助金申請書作成ポイントを書いていますので、そちらをご覧いただけたらと思います。

持続化補助金申請書作成ポイント

「次へ→」をクリックすると続きのページを見ることができます。

加点ポイントなどが、現在とは異なっていますが、記載方法のポイントについては、概ね変わっていないと思いますので、ご興味があれば読んで見てください。

比較的、大事な内容が書いてあるのはシリーズの4回目になります。

持続化補助金申請書作成ポイント4回目

一応、10回シリーズになっていますので、1回目から10回目まで読んでいただいた方が理解は容易だと思います。

当方では、複数の支援機関様から持続化補助金のセミナーのご依頼をいただいていますが、基本的にはこの10回リリーズの内容がベースになっています。セミナーでは最新の情報を盛り込むことと、オリジナルの記載例(かなり評判は良いものです)などを配布して、わかりやすいセミナーを心掛けています。ご興味がある支援機関の方はメールでお問い合わせください。

令和3年5月29日

「営業許可業種の新設」と「営業届出制度」について

平成30年の食品衛生法改正により、営業許可制度の見直しが行われましたが、あわせて営業届出制度が創設されました。

【新設されるについて】
令和3年6月1日以降、新たに営業許可が必要となる業種があります。新設される許可業種は下記の通りです。

「水産製品製造業 」「漬物製造業 」「液卵製造業」「密封包装食品製造業」「複合型そうざい製造業」「食品の小分け業」「複合型冷凍食品製造業」「調理の機能を有する自動販売機」

営業許可を取得する時期については、令和3年5月31日時点ですでに製造、販売をしている場合は「令和6年5月31日までに取得」が必要です。また、令和3年6月1日以降、新たに製造を開始する場合は「製造を開始するまでに取得」することが必要になります。

【営業届出制度の創設について】
営業届出制度が創設され、「許可営業」及び「届出対象外営業」に該当しない営業を営む営業者は、一部の届出対象外の営業者を除き、管轄の保健所に「営業届出」をする必要があります

営業届出制度の開始は令和3年6月1日からです。

※許可営業を営む営業者が、追加で届出営業を営む場合は、営業許可の申請の他に営業届出も行う必要があります。

まだ、対応していない事業者の方は、厚生労働省のホームページをご確認いただくか、管轄の保健所に相談しましょう。

 

令和3年5月23日

売場レイアウトを変更する効果

最近、売場レイアウトについての相談を受けることが多くあります。

今までも、年に数回は相談を受けることがありましたが、
6月については、1ヶ月間で3件の相談があり、随分と多いなと感じました。

要因としては、小売業界が厳しい状況であることが考えられ、
どの店舗も、現状を打破するために、売場レイアウトの変更に
取り組まれているのだと思います。
それだけ、売場レイアウトの変更は、売上を改善する要素として、
重要視されていると言えるでしょう。

さて、売場レイアウトの変更が、実際に効果があるかどうか
なのですが、この度、極端な例がありました。

少し特殊な店舗なのですが、リピーターのお客様が
ほとんどおらず、初めてのお客様が大半を占めている
店舗のレイアウト変更を行いました。
通常の店舗であれば、リピーターのお客様が多く、
レイアウト変更を行っても、売上の数値が少しずつ
変化することが多いのですが、この店舗は、
リピーターのお客様がほとんどいない店舗ですから、
売場の見直しを行い、買い易い売場にすることで、
急激に数字の変化があり、予想以上に売上を
改善することができました。

リピーターの少ない店舗では、お客様にとっては
常に初めて訪れた店舗であり、何の先入観もあり
ませんから、買い易い売場にすることで、効果が
出たものと思われます。

また、この店舗については、売場レイアウトの変更
だけではなく、品揃えについても大幅に見直し、
新規商品の投入も積極的に行いました。
売場レイアウトと品揃えの両方に取り組んだからこそ
の結果だと言えるでしょう。
どちらかが欠けると、期待ほどの効果が
出ないことが多いように感じます。

リピーターのお客様がほとんどいないという、
極端な例ではありますが、売場レイアウトの
変更が売上改善に寄与するという
好事例だと思います。

売場レイアウトの変更に取り組む時には、
単なる什器や商品の並び変えではなく、
陳列する商品を含めて、お客様が買い易い
売場にすることを念頭に取り組む必要が
あると言えるでしょう。

 

平成22年6月30日

商品のこだわりとは

企業の方とお話する中で、「商品のこだわり」という言葉をお聞きします。
セミナーなどでは、「どのように商品を差別化すれば良いのですか?」と
いう質問を受けることがあります。

また、「当社ではこだわりの商品を作っています!」というお話をお聞きすることが多く
ありますが、こちらから「どのようにこだわっているのですか?」とご質問すると、
上手く説明できなかったり、あまり競合他社と変わらないように聞こえ、
こだわっているようには思えないことが多くあります。

そもそも「こだわり」とは何でしょうか?
辞書などを見ると「些細なこと執着する」のように、
マイナスイメージの意味が多いようです。
最近では、職人気質のような、良質な商品
の説明にも使われますが、なかなか説明が
難しいのかもしれません。

私が「こだわり商品」についてアドバイスする時は、
まず、「比較する商品を選んで下さい」とお願いをします。
そして、その次に、「比較する商品と御社の商品との違いを
できるだけ詳細に説明してください」とお願いします。

私が思う「こだわり」とは、「比較する商品との違い」だと
思っています。比較すれば、「味」「素材」「製法」「鮮度」「歴史」など
「こだわっている」部分が明確になるはずです。
逆に、比較する商品との違いがなければ、「こだわり」では
ないはずなのです。

「こだわり商品」を開発するときには、そのことを意識して、
比較する商品と、どのような要素で差別化するのかを
しっかりと考えて取り組む必要があります。

そして、その「こだわり」をしっかりと説明できてこそ、
本当の意味での「こだわり」になるのではないでしょうか。

 

平成22年5月31日

企業と消費者とのギャップ

企業と消費者は、密接な関係にあるが、
同時に多くのギャップが存在している。

代表的なものとしては、「価格」があり、
企業は「儲けたい」、消費者は「安く買いたい」と
いった志向があり、そこにはギャップが発生する。
そのギャップが解消された時、もしくは、
なんらかの事情で、どちらかがその志向を
妥協した時に商品は「売れる」のである。
(もちろん価格だけでは購入しない場合もありますが)

その他、小売業や飲食業が注意すべきギャップとしては、
販売促進にかかわるものがあり、注意が必要である。

スーパーマーケットのチラシなどには、商品の写真が
掲載されているが、その写真は、販売側が「少しでも
美味しく見えるように」と撮影されたものが多い。
その結果として、売場の商品とギャップが生じる場合もある。
売場で商品選択できるスーパーマーケットであれば、
少しでも理想に近い商品を選ぶことができるが、
それができない宅配スーパーなどであれば、
そのギャップは更に大きくなる。

また、飲食店の場合でも、店頭のディスプレイやメニューの写真と、
実際に注文して出てきた料理の見た目やボリュームが異なって
いてガッカリしたことは、多くの方が経験されているのではないだろうか。

販売促進という側面では、チラシやカタログ、メニューやホームページに使用する
写真は、できるだけ新鮮な素材を使って、プロのカメラマンを使って、
最適なライティングをして、できるだけ良いものを・・・ということは当然であり、
逆に、美味しくなさそうな写真を掲載すれば、「販売促進」ではなく「販売抑制」
になり意味を成さない。

美しいチラシ、美しいカタログ、美しいホームページ・・・販売促進を行う上で、
これはもちろん大切である。しかし、消費者とのギャップを小さくするためには、
常に消費者の視点を忘れず、誤解を生む表現にならないように配慮することを
忘れてはならない。

少なくとも、企業の発信する情報と、それを受け取る消費者との
間には、常にギャップが生じる可能性があることを意識しておく
必要があるのではないだろうか。

 

平成22年4月7日

生鮮品の鮮度

仕事でスーパーマーケットを訪問し、相談をお受けする
ことが多くありますが、水産部門の鮮度管理について、
課題となっていることが多くあります。

水産の特徴の一つとしては、入荷が天候に左右される
ものなので、時化(シケ)の時は入荷が無いという
ことがあります。

このように、入荷に不安があるので、ついつい在庫を
抱えてしまう、また、作業の段取りを優先してしまい、
在庫を抱えてしまうなど、管理面で様々な障害があります。

それらを改善するためには、作業スケジュールの見直しや、
ルール化、従業員のスキル向上等、取り組む事が多岐に
亘ります。
まったく違う地域で、規模も異なる会社を訪問していますが、
どこも同じような悩みを抱えており、改善に向けて、同じような
取り組みをされています。
海産物の鮮度はどこでも大きな悩みといえるでしょう。

先日、仕事で、島根県大田市の和江港を訪問しました。
この港は、全国でも珍しい底引き網による1日漁と夕市を
行っています。

通常、沖合の底引き網漁は、大型船を使い、数日漁に出て、
市場へと入荷します。市場は翌日の早朝に立ちます。

一日漁とは、小型船を使い、早朝から底引き網漁を行い、
市場へと入荷します。市場は翌日の早朝に立ちます。
この方法だと、漁獲量は少ないですが、鮮度は良好です。

さらに、和江港で行っている夕市ですが、小型船で早朝から
底引き網漁を行った後、夕方に市場に入荷して直ぐに
市場が立ちます。深夜には、消費地に向けてトラックが
走りますから、鮮度は抜群に良好です。

海産物は、スーパーマーケットに入荷する以前で鮮度が
落ちていきます。入荷後の鮮度管理も大切ですが、
入荷前の鮮度を高めることも大きな改善になります。
当然、調達する価格も変わってくると思いますが、
競合との差別化には有効なハズです。

なかなか、鮮度の良さをPRすることは難しいですが、
漁の方法の違いなど、客観的な違いをしっかりと
説明し、価値を伝えていき、競合が扱っている商品
との違いを明確に打ち出して行く必要があります。

なかなか取り組みにくいかもしれませんが、
それだけに、成功すれば競合と差別化が
決定的になります。

たまたま、和江港の例を使いましましたが、
青果物等、生鮮食品では同様なことが言える
と思います。産直などを見かけますが、まだまだ
有効にPRできている企業は少ないと思います。

どこの会社も同じことに取り組んでおり、そこから
抜け出す為には、より一層の努力が必要と
なります。

それには、既成概念に囚われない、新しい発想も
必要になります。
商品の鮮度にこだわる以前に、取り組む人間の
鮮度(感覚面で)を高めることから始める必要が
あるかも知れません。

 

平成21年11月29日

流通の仕組みを知る必要性

商品には、その特性に合わせて
いろいろな流通ルートがあります。
新たに販路を開拓する際には、
その流通の仕組みと、その特徴を
知っておくことが必要です。

代表的なものは下記の3点です。

 

①卸売ルートのパターン
1
生産者の立場から考えると、卸売業者が中間に入るため、
利益は少なくなりますが、販路を広げることができる可能性が高まります。
例えば、営業やフォローのできない遠隔地への販売にはメリットがあります。
卸売業を通過することを意識した価格設定が必要です。

 

②小売ルートのパターン
2
生産者から見ると、直接小売業者に販売するため、
比較的利益が取れる販売ルートです。例えば、比較的近場や
既存取り引きのある小売店であればこのルートが有効です。
自ら営業する必要があります。

 

③消費者直売パターン
3
生産者が、直接消費者に販売するルートです。
インターネットや通信販売を有効活用する方法があります。
中間業者が存在しないので、利益が取れる販売ルートです。
ただし、運営コストや営業コストがかかるので、
それらを踏まえた価格設定が必要になります。

 

当初は直接販売を行っていた小さな生産者の方が、
人気が出るにしたがって、中間業者を活用する必要性が
生じる事があります。その時、直接販売の価格では、
中間業者のコストを吸収することが難しくなります。
その際には、価格の見直しなどが必要になります。

商品開発を行う際には、事前に多様な販売ルートを
意識した価格設定を行っておくことも大切です。

 

平成21年11月25日

検索のキーワード

オフィスヒューミックのホームページですが、
順調にアクセス数が増加しています。

いったい、どのようなキーワードで検索して、
このホームページに訪れているのでしょうか?

ツールを使って調べてみると、今までは、「広島」や
「コンサルタント」と言った、容易に想像できるキーワード
で検索している方が多かったのですが、ここ最近は
傾向が変わっています。

実は「香港」「シティスーパー」「エコバック」といった
キーワードで検索して、このホームページに
辿り着いている方が多くなってきています。

効果的なテーマを記事にするとアクセスが伸びる
ことは当然ではありますが、意外なテーマに
効果があったことに驚きました。

 

さて、今回は、香港ネタの残りを少し書いてみます。
まず、日本で有名なスーパーですが、ここ香港にも
あります。しかし、よく見ると1階に別系列の
コンビニエンスストアが入店していました。

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そのコンビニエンスストアですが、道端に
パラソルを立てて、屋台のような商売も
されていました。

DSCF0237

 

前述したスーパーマーケットについては、
10元ショップも経営していました。
日本の100円ショップですね。

DSCF0337

 

店内の写真は写していませんが、同じ企業でも、
国が異なると商売の様子が変わっていて、
とても新鮮でした。
海外での商売の基本は「郷に入れば郷に従え」の
ようですが、その結果として、日本で見る以上に、
各社の個性が際立って見えます。
海外に行く機会があれば、現地にある日本企業の
店舗を覘いてみても良いかもしれません。

 

平成21年11月17日

地域に眠る魅力を活かす

仕事で出張をすることが多いのですが、
地域ならではの風習や食文化に出会うことがあります。
その地域ではあたりまえのことであっても、
外から見ると珍しく、また、価値のあるものが多くあります。

中国地方から九州地方に移動すると、
鶏を食べる機会が多くなります。
宮崎等では、鶏のタタキなどを食べますが、
大変美味です。
また、宮崎発祥の「チキン南蛮」も、
広島で食べるものよりも美味しいと思いました。
姿かたちは似ていますが、別物と感じたことを
覚えています。

数年前、宮崎の山間部で「完熟金柑」に出会いましたが、
広島で食べるものとは、まったく別物の美味しさで、
驚いたこともありました。
この金柑は、広島のスーパーで販売しましたが、
好評で、現在も継続して販売されています。

狭い国土でありながら、豊富な食文化を持つ日本。
地域ならではの味は、まだまだ眠っているように
思います。

地域の味の魅力に気づき、それを他の地域に
如何に伝えていくか。
そこに新たなビジネスのチャンスが隠れて
いるような気がします。

皆様のまわりも、一度、見渡して見ては
如何でしょうか?

 

平成21年9月18日

少子高齢社会が経営に与える影響

少子高齢化の進展は、経営環境に様々な影響を及ぼします。

人口が減少するので、「お客様が減る」 → 「売上が落ちる」
という考えがありますが、それだけではありません。
全体の人口は減少しても、高齢者の方の人口は増えますから、
高齢者の方を対象にした事業であれば、売上は増えるかもしれません。
このように、一つの事象であっても、様々な側面から見る必要があります。

売上以外にも影響が出てくると思われることがあります。
それは、人事や労務にかかわる部分です。

少子高齢化は、人事・労務を取り巻く環境を複雑化させます。
例えば、少子高齢化をスタートとして、どのような影響か生じるか
を考えて見ると下記のような図が書けると思います。

 

無題

 

あまり時間をかけず、簡単に書いて見ましたが、最終的には雇用コストが
増大するという結果に行き着きました。

中長期経営計画等を作成するお手伝いをすることがありますが、
労務関係のコストを上昇させていない計画をお見かけします。
これからの社会は、急激な少子高齢化が進むことは間違いないので、
急激に労務関係のコストが増加することは間違いありません。
事前に対応策を考えておく必要があります。

景気が良くなる、悪くなるといった予測をすることがありますが、
その通りになるとは限りません。
予測できない環境下において、経営をしていくことは大変です。
しかし、少子高齢化が進むという予測は、ほぼ的中します。

経営を取り巻く環境の中には、高い確率で予測できるものも多くあります。
しかし、十分に活かされていないことが多いようです。
まずは、情報をしっかりと収集し、経営の判断に活かすことを意識してみては
如何でしょうか?

 

平成21年9月9日