備え無しで戦に臨むとどうなるか?

先日、支援機関からの依頼で事業者さんから補助金申請の相談をお受けしました。

ご自身で申請書を作成されていましたが、急に申請を目指した様子で、まだまだ準備が必要な状況でしたが、可能な範囲でアドバイスをさせていただきました。

ただ、結論として「今の状態では採択されるのは難しい」と説明させていただきました。

申請書の内容、事業計画については、もしかしたら徹夜してブラッシュしたら良くなるかもしれませんが、準備期間が無いままで申請を行うと多くの場合、加点を受けることができないことがあります。

補助金を申請する際、事前に「経営革新計画」「経営力向上計画」「事業継続力強化計画」などの承認や認定を受けていると加点を受けることができます。(加点の要素は補助金によって異なるので、公募要領を良くご確認ください)

加点については、極端に言えば「白紙でも点が付く」わけですから、あった方が良いのは明白です。

戦支度でいえば、「兜」「鎧」「具足」などになると思います。

どれだけ切れ味の良い刀や槍を持っていたとしても、防具を持っていなければ宮本武蔵や佐々木小次郎のような剣豪であれば無事かもしれませんが、普通、防具が無いまま戦に行けば怪我をします。

恐らく、戦慣れした武士であればあるほど、防具などの備えは万全だと思います。

補助金申請に置き換えれば、何度も補助金を申請している戦慣れした企業は、事前に加点を受ける準備をして戦に臨むと思います。

逆に、補助金を申請した経験が少ない企業ほど、事前に加点を受ける準備をせずに戦に臨むと思われます。

双方が戦場で合えば、戦いの結果は火を見るよりも明らかです。

備え無しで戦に臨むとどうなるか?を考え、勝率を上げるためにもしっかりと準備をすることをおすすめします。

令和3年7月9日

季節指数の使い方

小売業の売上高は、季節や該当月の特長によって大きく左右されます。

大雨であれば来店客数は減少しますし、一方でカップ麺や缶詰のような保存食、乾電池などは販売数量が伸びるでしょう。

また、「盆」や「年末」といった、セールスピークのある月の売上は大きくなり、催事の無い月の売上は少なくなります。これら、季節や該当月の特徴を掴む手法が季節指数になりますが、その算出方法方は下記のようになります。

◆ 季節指数の算出手法
・過去3年間の月別売上高を用意し、月別に3年間の合計と平均値を求める
・3年間の売上高合計を総月数(12ヶ月×3年)で割り、月平均を算出する。
・各月の平均値を月総平均で割り、季節指数を算出する。

過去3年間の売上から一か月あたりの月平均売上を算出し、また、3年間の月別平均売上を算出し、月別平均売上と全体から算出した月平均売上との差異を見て傾向を把握します。もし、7月の平均売上が全体の月平均売上の105%であれば、7月の売上は平均より5%高い傾向であることがわかります。

このように季節指数を算出することで、「2月は平均より売上が少ない」「8月は平均より売上が多い」と言うような、月毎の傾向がわかるので、これを「商品の発注」「在庫量の基準」「人員シフト」などに活用することが可能になります。

もし、大雨の時の指数を算出することができれば、大雨の際の発注やシフトに活用することも可能になります。さらに、算出方法を応用して、「曜日指数」を出せば、日別予算の策定に使用することもできます。

過去には売上高では無く、総労働時間から「労働時間の曜日別指数」を算出し、曜日ごとの売上平均と比較することで、曜日別の労働時間と売上が連動しているかを調べ、労働時間の負荷の平準化やコスト削減に取り組み、効果が上がったこともあります。

工夫次第で季節指数の考え方は色々な場面で活用できます。特にシフト管理や予算作成に有効なので、機会があればお試しいただけたらと思います。

令和3年7月2日

 

イエノミとおみやげ

先日、同業者の方と話をしていたのですが、新型コロナウイルスの影響で、出張に出掛ける人が大幅に減少したので、おみやげ業界は大変なことになっています。

出張に出掛けると、行きと帰りでおみやげを購入することは珍しくないですし、一般的になっています。通常の旅行が激減していることと合わせると、おみやげを販売している小売店、また、おみやげを製造しているメーカー様は販売チャンスを大きく逃すことになります。

一方で、日常の食事に加えて、イエノミの需要は増加傾向となっています。

おみやげものにはイエノミに適した商品も多いので、おみやげを「イエノミ向けの商品」として展開するのも面白そうです。

そのためには、新型コロナウイルス禍でも、比較的順調に経営が推移しているスーパーマーケットなどをターゲットとして営業や提案を行っていくことも必要だと思われます。

令和3年6月15日

衛生管理に注意する季節になりました

6月に入り気温が上がってきましたが、毎年、この頃になると食中毒事件などが発生し、衛生管理に関する消費者意識が高くなっています。

企業様からも、「衛生管理」や「クレーム対応」などについてのご相談や研修のご依頼を受けることが多くなっています。

これら「衛生管理」「クレーム対応」と言ったテーマは、会社の存続を左右するほどの影響力があるものの、専門性が高い領域であり、またネガティブなイメージがあったり、予算的に難しかったりと、満足できる取り組みがされていないことが多いようです。

「衛生管理」や「クレーム対応」というと、その取り組みは複雑そうではありますが、実は整理するとパターンが見えてきます。自社で取り組むべき衛生管理の内容やクレームの発生理由やその原因、対応を整理することで、効率的に取り組むことが可能になることが多くあります。

また、そもそも「衛生管理」や「クレーム対応」について、取りあえず取り組んでいるだけで、カタチだけで終わっている例を良く目にします。管理者から現場の担当者に至るまで、本質的な内容を理解して、誠実に取り組むことが大切です。

地方のテレビ局の番組で多いですが、中小企業の食品工場へのテレビの取材で、経営者の方が白衣を着ずにスーツのまま工場に入ったり、工場で働く人達がマスクや帽子をキチンと被っていなかったりする様子を見かけることがあります。

取材の時だから特別・・・という言い訳があるのかも知れませんが、テレビを見ている消費者の方は特別とは見てくれません。

普段から衛生管理ができてない会社と認識される可能性も十分あります。衛生管理への意識が高まっている時期だからこそ、今一度、気を引き締めなおす必要があるのではないでしょうか。

令和3年6月11日

コンビニエンスストアの惣菜強化

ここ10年くらいの間、食品スーパーマーケットでは生鮮食品の売上は減少傾向でしたが、その代わりに惣菜を強化することで売上を確保してきた店舗が多くありました。

そのため、惣菜の強い店と弱い店とで業績は大きく異なっていました。また、惣菜はノウハウが必要ですが、利益率も高いため、会社の業績に大きく貢献してきました。

しかし、コンビニエンスストアが本格的に惣菜に取り組んできたことで、今後はスーパーマーケットの売上に大きく影響してくることが予測されます。というか、既に影響が出てきています。

コンビニエンスストアの売上は1店舗では大きいものではなく、スーパーマーケットから見るとあまりインパクトはありませんが、店舗数が多いので、ジワジワと影響を受けてくるものと思われます。

この影響は、食品を扱う他の店舗にも波及すると考えられ、地域の飲食店や素材を供給している事業者などにも見過ごせない現象ではないでしょうか。

人口減少社会を迎え、小売業、製造業ともに生き残りをかけて様々な努力をしています。何も行動を起こさなければしなければ、売上は減少してしまうかもしれません。

コンビニエンスストアの惣菜強化の取り組みは、内容自体は真新しいものではなく、小規模な会社でも取り組めるものです。発想を変えることで、規模の大小を問わず、まだまだチャンスは残されているのではないでしょうか。

令和3年6月8日

わかりやすい商品開発の必要性

先日、商品規格書について紹介しましたが、新しい商品を開発して営業を行う際には、商品規格書や詳細な提案書、POPなどの販促物を準備することがあります。

このような、商品の特徴や強み等、商品の訴求ポイントをまとめた営業ツール等は大切だという認識はあるものの、小規模な会社ではなかなか作成できない場合もあるようです。

その為、営業ツールの作成をお手伝いさせていただく機会が多くあります。

ただ、このような営業ツールは必要不可欠なものですが、それがあるからといって、必ずしも営業が成功するとは限りません。

たまたま、日本最大手の小売業でバイヤーをしている方とお話する機会がありましたが、「そもそも、POPや提案書で顧客やバイヤーに説明が必要な商品は売れない」と言われていました。

説明が必要な商品は、お客様から見て「わかりにくい商品」であることが多く、売れる商品は、ひと目見ただけで、その商品の特徴や魅力が伝わる商品だと言うことでした。

お客様に売場で見てもらえるチャンスは一瞬です。デザインやパッケージを最大限に活かし、短い時間で、どれだけ商品コンセプトを訴求できるかがポイントになります。

しかし、それは難しいテーマでもあります。ターゲットを意識しながら商品規格書や提案書、POPを作成するだけではなく、その過程で商品の特徴をしっかりと把握し、それを次の商品開発に活かしていく。その地道な繰り返しが大切だと言えるでしょう

令和3年6月7日

管理手法やマニュアルを定着させるための手法

先日、ある工場の生産性を向上させるための相談を受けました。

企業規模は大きくなく、人材も不足していることから管理のレベルは高いものとは言えない状況でした。

独力で、原価管理や管理会計の導入、マニュアルの作成など、生産管理に関する取り組みをテーマに取り組んでおり、時には専門家の力を借りながら取り組んできたものの、苦労して作った仕組みは、なかなか現場に定着しない状況が続いたとのことでした。

慣れない管理手法は結果を把握することだけに使われ、現場としては「上司から評価されるモノサシ」としか理解されず、また、マニュアルについても、現場では「使えない資料」とされ、単なる本棚を彩るコレクションになってしまったのです。

実は、管理手法やマニュアルを導入する以上に、現場に仕組みを定着させることは難しいのです。

組織のレベルに合わない仕組みは、どんなに立派なものであっても活用されることはありません。その会社や組織のレベルに合わせることが大切なのです。

以前、ある小売業の業務標準化に取り組んだ時には、まったく作業スケジュールが作成されていなかったことから、まず、実際のスケジュールの把握から取り組みました。

次に、現場のスタッフの方を交えて何が問題なのかを考え、一緒に改善するポイントを導き出していきました。

最後には、現場のスタッフの方に「どんなツールがあれば改善できると思いますか?」という問いを投げかけ、現場スタッフが望む形でマニュアルなどを整備していきました。

現場が必要とするマニュアルは、上からの押し付けでは無い「活きたマニュアル」になります。

また、この取り組みの過程で、従業員の方に問題意識が芽生え、組織のレベルも徐々に上がってきました。

「仕組みづくり」や「マニュアルづくり」を「人づくり」に活かし、組織のレベルを向上させる。

それこそが本質的な目的であり、取り組みを成功させるポイントだと言えます。

令和3年6月6日

ある会社での経営黒字化事例

先日、2年越しで支援させていただいていた企業様から、「単月で黒字化することができ、このまま黒字で運営していくことができそうだ」との報告を受けました。

長い間、赤字が続いていたので、お手伝いさせていただいた私も嬉しくなりました。この企業は生鮮食品の販売と加工が主要な事業なのですが、在庫の削減や売場の管理、運営体制の確立がなかなかできない状況が続いていました。

何度も現場に出向いて担当者の方と話しながら、在庫管理や売場管理についての指導を行いましたが、今までの仕事のやり方を変えることへの抵抗が大きく「絶対無理!」という姿勢はなかなか変わりませんでした。

当たり前の話ですが、「計画的な仕入を行う」「商品の置き場所を決める」「日付管理のルールを決める」「商品で通路を妨げない」「鮮度を維持する手法を講じる」「効果的な陳列や店内販促を行う」といったことについて、それぞれ具体的なアドバイスを行い、地道に取り組んでいただくことで、少しずつ仕事に対する姿勢が変わり、在庫は少なくなり、売場は良くなっていきました。

最終的には冷蔵庫の大きさを大幅に小さくし、物理的に在庫を持てない状況へとシフトしましたが、大きな問題も発生せず、売上を増やしつつ、在庫を大幅に削減することができました。

いきなり冷蔵庫を小さくするのは無理ですが、意識を変え、仕事に対する姿勢を変えた後だったので上手くいったのだと思います。現場の担当の方と話をしても、以前とはまったく異なる姿勢に驚かされます。

いままでのやり方=価値観を変えることは誰でも難しいものです。しかし、今までのやり方がベストとは限りません。この経験を今後の指導に活かすとともに、私自身も常に新しいやり方を考えながらより良い仕事をしてきたいと思います。

令和3年6月4日

身体を動かして学ぶ『ビジュアルマーチャンダイジング』

先日、ある商業施設様でビジュアルマーチャンダイジングの研修を担当させていただきました。

ビジュアルマーチャンダイジングとは、視覚的な効果を使って、魅力的かつ管理しやすい売場づくりを行う手法のことで、単なる売場の装飾から一歩も二歩も踏み込んで「お客様が選び易くて買い易く、売り手からも管理し易い」売場の実現を目指すものです。

ビジュアルマーチャンダイジングは、VP(ビジュアルプレゼンテーション)、PP(ポイントプレゼンテーション)、IP(アイテムプレゼンテーション)で構成され、それぞれ下記のような役割があります。用途に応じて、効果的に組み合わせることで魅力的な売場演出が可能になります。

・VP(ビジュアルプレゼンテーション)
  ショウウィンドゥやステージを使い、特定の商品群を演出する

・PP(ポイントプレゼンテーション)
  陳列台やラック、定番の棚をコーナー化するなどして商品を演出する

・ I P(アイテムプレゼンテーション)
  単独商品を定番売場で演出する

その他、売場陳列の基本的な知識や技術についての講義を行いましたが、座学だけで売場陳列の講義を行っても、なかなか身につかないのが実情では無いでしょうか?

今回のセミナーでは、クライアント様のご要望がありましたので、実際に売場づくりを体験していただく演習を行いました。方法としては、色のついた紙コップを使用し、手順に沿って陳列方法を学び、最後にはテーマに合わせて売場陳列を行って発表していただきました。単に聞くだけの座学とは異なり、身体を動かして体験することで実践的に楽しく学ぶことができたようです。

研修は座学が多いことから、一般的には「つまらない」と言われることが多いと思いますが、これからも色々と工夫することで、楽しみながらノウハウが身につく研修を心掛けていきたいと思います。

令和3年6月3日

知らないと損をする!「商品規格書」について

前回、飲食店からメニューに関する相談が多くなっているという話を書きましたが、今回は食品メーカーなどからの相談が多くなっている「商品規格書」について書きます。

商品規格書とは、取引に必要な情報として、取り扱い商品の原材料や包装資材、保存方法、取引条件などを記載した資料で、商談などの営業活動を行う際に使用する資料です。大手のメーカーであれば、当然のように存在している資料なのですが、中小のメーカーでは作成していないことが多いようです。

数年前、東京で開催された大規模な展示会を視察した際に確認したのですが、商品規格書や商品仕様書のないブースが意外と多かったことに驚きました。

展示会などでは、バイヤーは短時間で多くの企業と接触するので、情報過多となります。これらの書類がなければ、継続した商談には結び付き難い場合も出てきます。

商品規格書のメリットとしては、「①取引に必要な商品情報を短時間で適切伝えることができる」「②誰が商談を行っても同じレベルでの情報提供ができる」「③商品規格書を作成する段階で説明事項を検討できモレがなくなる」といったことがありますが、大手小売業を中心に「④取引を行う上で必要とされている」「④取引を行う上で必要とされている場合も多くあります。

商品規格書の作成には手間がかかりますが、何度か作成すると慣れますし、実際に効果があったという報告を良くお聞ききしますので、作成されていない企業の方にはおすすめです。

令和3年6月2日