椅子取りゲームで考えるマーケティング①

私はマーケティングの研修を行う際に、椅子取りゲームの話をすることがあります。他にもパターンはいくつかあるのですが、比較的、説明が簡単で、理解もしていただきやすいようです。

広辞苑で椅子取りゲームを調べてみると「人数よりも少ない数の椅子を多数の人が取り合うゲーム。並べた椅子の周囲を多くの人が回り、合図で一斉に座る時、席のなかった人が抜ける。順次椅子を減らして行き最後に残った人を勝ちとする。」と記載してあります。皆様の認識とあっていますでしょうか?時々、フルーツバスケットなどと勘違いする方もいらっしゃいますし、大人にとってはかなり過去に経験したゲームになるので思い出すのに時間が掛かるかも知れません。

私は幼稚園の頃、背が低かった(今もですが・・・)こともあり、椅子取りゲームが苦手でした。しかし、椅子取りゲームは「席のなかった人が抜けるゲーム」ですから、早く負けてしまうと面白くありません。そのため、なんとかして生き残る方法を考えました。

みなさんなら、「椅子取りゲームに勝つ方法」をどのように考えるでしょうか?

一応、椅子取りゲームでマーケティングを考えていくのですが、ここではマーケティングは忘れて童心に帰り、幼稚園の頃を思い出して「椅子取りゲームの禍勝ち方」を考えてみましょう。

何回かに分けて説明をしていきますので、順番に読んでいただけたらと思います。

令和3年5月1日

参考文献や引用について

先日、仕事先の方から「渡貫さんの書いた文書が論文の参考文献になってますよ!」と教えていただきました。

心当たりはないのですが、ホームページを検索してみると、京都大学アフリカ地域研究資料センターの研究会活動「環境地理学研究会」が発行する学術雑誌「アクメーネ研究」Vol.3に掲載されている論文、「グローバル化における伝統食品産業の動向―広島県府中味噌の事例―」に、私が書いた文章を参考文献として使用した旨の内容が書いてありました。興味があれば下記のリンク先を読んで見てください。

アクメーネ研究」Vol.3「グローバル化における伝統食品産業の動向―広島県府中味噌の事例―」

立派な論文の参考文献に活用いただいて、大変名誉なことなのですが、この機会に参考文献について調べてみました。

参考文献や引用については、著作権に関わるテーマとなります。他人が作成した著作物を引用する場合、著作権を持っている人の許可が必要になります。ただし、著作権法第32条では、引用が可能になる条件が記載されています。

【著作権法第32条】
「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」
(著作権法の条文からの引用)

つまり、目的上、正当な範囲内での引用は認められていることになります。

また、続けて著作権法第48条では下記のように記載されています。

【著作権法第48条】
「次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。」
(著作権法の条文からの引用)

と記載してあります。各号についての説明は省略しますが、引用した書籍などを明示する必要はあるようです。

私の文章が参考文献にされた際のものを見ると、「渡貫 久 2008.日本の伝統食材を世界の舞台へー府中味噌の挑戦.中小企業と組合63(6):12-14.」と記載してありました。順番から判断すると「著者」「出版年」「署名」「号数」「月度」「該当ページ」になるでしょうか。色々と調べてみると、参考文献を明示する際のルールもあるようです。興味のあるかたは「著作権法」を調べてみてください。

私は著作権などの法律の専門家ではありませんので、詳しくはありませんが、資料を作成する際に公表されている資料を参考にすることは多くあります。

今までも、参考文献は何を参考にしたのかを明示するように注意してきましたが、これからも注意しようと思います。みなさまも参考文献を使用する際は注意して取り組まれることをおすすめします。

令和3年4月30日

新型コロナウイルス終息後に外国人観光客はもどるのか?

先日、日本在住の中国出身の方とお話をする機会がありました。

「新型コロナウイルス後に外国人観光客は戻るのか?」というテーマで話をしていたのですが、その方の意見では「新型コロナウイルスが終息したら中国人観光客はたくさん日本を訪れるだろう」とのことでした。

新型コロナウイルスからいち早く立ち直りつつある中国では、増加する富裕層を中心に海外旅行への意欲は高まっていることは間違いありません。移動制限が無くなれば「海外旅行に行く」というのは間違いない出しょう。

そうなると行き先が問題になりますが、現在、中国と欧米とは軋轢が強くなっており、中国人サイドから見ると「欧米に旅行に行くのは怖い」という気持ちが強いだろうとのことでした。

その場合、日本と中国は色々と衝突はしているものの、地理的な強さ、文化的な繋がり、経済的な結びつきの強さなどもあり、深刻な状況にはなっていないと判断されているようです。

もちろん、実際にはどうなるかわかりませんし、個人差もあるとは思いますが、東アジアでは新型コロナウイルスの被害も比較的押さえられていますし、人的交流は早く復活する可能性は高いと思われます。

当面は日本国内での観光が復活することが望まれますが、その次の段階でワクチンの接種が進めば、東アジア圏内での観光の復活、といったように、段階的に観光が復活するような流れになると思われます。

今のうちから、それに備えて準備する必要があるでしょう。

令和3年4月29日

エルニーニョ現象、ラニーニャ現象とは?

前回、今年の夏の天候の予想について書きましたが、そこで登場した「エルニーニョ現象」「ラニーニャ現象」について説明したいと思います。

エルニーニョ現象とは、太平洋の赤道域にある日付変更線付近から、南アメリカ大陸の沿岸部分にかけての海面水温が、平年より高くなることが続く現象になります。逆に、同じ海域の海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれます。

エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、天候の異常に要因になると考えられており、日本の場合では、エルニーニョ現象が発生した時は「冷夏」「暖冬」になる傾向が高くなりますが、ラニーニャ現象の場合はその逆で「猛暑」「厳冬」になる傾向が高くなると言われています。また、ラニーニャ現象の場合は、夏には雨が多くなる傾向があり、冬には記録的な豪雪になることもあるそうです。

エルニーニョ現象が発生しているときには、南アメリカ大陸側から吹きこむ風が弱くなり、太平洋の西部から東部にかけて、広い範囲の海面水温が高くなるので、平常時より東側で積乱雲が発生します。この場合、海水温の観測海域である太平洋東部の海水温が高くなるわけです。

一方、ラニーニャ現象が生しているときは、南アメリカ大陸側から吹きこむ風が強くなり、海水温が高くなる場所が太平洋の西部に偏り、平常時より西側で積乱雲が発生します。この場合、海水温の観測海域である太平洋東部の海水温が低くなるわけです。尚、ラニーニャ現象の場合、海水温が高くなるのが太平洋の西部に限られるため、積乱雲は通常時より大きく発達する傾向が強くなります。

気象のことを勉強しても役に立つかどうかはわかりませんが、「今年はエルニーニョだから冷夏暖冬になりますよ」とアドバイスした時に、「そもそもエルニーニョってどういう状況なんですか?」と質問されないとは限らないので、少しは勉強しておいた方が良いかもしれません。もっと詳しい話を知りたいからは、気象庁のホームページなどで調べてみてください。

令和3年4月28日

令和3年夏~今年の夏は猛暑?冷夏?どちらでしょうか?

4月に入り、気温がどんどん高くなってきました。ゴールデンウィークはかなり暑くなるのではないでしょうか?

さて、毎年、この時期には「今年の夏の気温はどうなるか?」の情報を集めて、対策の検討を行います。気温の暑さ、雨の多さや少なさは、小売業やサービス業を中心に客数の多寡に大きく影響しますし、当然、それは商品を供給するメーカーサイドにも影響してきます。はたして、今年の夏はどのような天候になるのでしょうか?

夏や冬の天候を予測する方法として「エルニーニョ現象」「ラニーニャ現象」を見て判断するというものがあります。

エルニーニョ現象が発生した時は「冷夏」「暖冬」になる傾向が高くなりますが、ラニーニャ現象の場合はその逆で「猛暑」「厳冬」になる傾向が高くなると言われています。また、ラニーニャ現象の場合は、夏には雨が多くなる傾向があり、冬には記録的な豪雪になることもあるそうです。

気象庁の4月9日現在の予測を見ると、2020年夏から始まったラニーニャ現象は弱まりつつあり、春の間に終息する可能性が高い(80%の確率)と予測しています。エルニーニョ現象になる確率も低いので、今年の夏についてはエルニーニョ現象でもラニーニャ現象でもない「平常」という予測(70%の確率)になっており、平年並みの気温になると予測しています。

ただし、「平年並み」といっても、夏の気温は昔よりも高くなっていますので、「暑い夏」になることは間違いないでしょう。「平年並みよりやや暑いくらい」と思っておけば良いと思います。詳しい内容は下記の気象庁のページをご確認ください。

「気象庁HP~エルニーニョ監視速報No.343(令和3年4月9日)」

また、夏場の降水量ですが、梅雨の時期の降水量は、気象庁の予測では「降水量は平年並か多い見込み」となっています。水不足にはならない感じでしょうか。

天候の変化は、小売業の売上や仕入れに大きく影響を与えます。エルニーニョ現象でもラニーニャ現象でもない「平常」という予測なっており、逆に判断が難しい面もありますが、天気予報に注意しながら、早め早めの準備に取り組み暑い夏を乗り越えましょう!

令和3年4月27日

事業再構築補助金の支援スタンス

今年度、公募が開始された事業再構築補助金ですが、直接、メールやお電話で相談をいただいたり、金融機関様や色々な士業様から相談をいただいております。中には、東京のコンサルティング会社様からもお電話をいただいたりもしております。

その都度、お返事をさせていただいておりますが、2021年4月現在、当事務所については「成功報酬での補助金申請書作成支援は行っておりません」ので、ご了承ください。

理由についてですが、2021年4月現在、公募が開始されているだけで、一度も採択結果の出ていない新しい補助金について、難易度や採択率もわからない状況の中、事業者様から有料で支援をお引き受けするのは無責任だと考え、ご相談をお受けしましてもお断りさせていただいております。

また、その他の補助金についてもですが、「当方では成功報酬での補助金支援を行ったことはありません」し、今後も当面は方針を変えない予定です。

正直、今までも様々な補助金のセミナーや申請書作成の支援をさせていただき、採択率はかなり高いと自認しておりますが、それらは「支援機関様経由でご依頼いただいた、事業者様の金銭的ご負担が無いもの」であったり、「既にコンサルタント契約でご支援させていただいているお客様向けの支援」となっております。

今までよりも、補助金に対する注目度が高くなっており、相談は増えていますが、成功報酬での補助金支援を行うと、それに時間を費やすことになります。そうなると、いつもお世話になっている支援機関様からの支援依頼を受ける時間的余力は無くなりますし、コンサルタント契約をしているお客様にも迷惑をお掛けすることになります。当方としては「一時的な補助金支援のために、通常の仕事を疎かにすることは避けたい」と考えいます。

事業再構築補助金については、令和3年4月末の第1回目の締め切りの後、引き続いて第2回目の公募も始まると思われますし、相談が増えることも想定されるので、投稿させていただきました。

もちろん、通常のコンサルティングの相談や支援機関様からの相談は、平常運転で対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

令和3年4月26日

日本NO1のツアープロデューサーは誰でしょう?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で旅行関連業界は大きな打撃を受けました。特にインバウンドは壊滅的で、新型コロナウイルスが終息しても元の状態に戻るかどうかはわかりません。

新型コロナウイルス後は、旅行業界を活性化させるようなツアープロデューサーの登場が望まれるかも知れません。

私は旅行に行くのは好きですが、旅行業界に詳しいわけではないので、「参考になる事例を教えて!」と聞かれてもなかなか浮かばないのですが、「凄腕のツアープロデューサーを教えて!」と聞かれたら「弘法大使(空海)」とお応えしています。

弘法大師は1200年ほど前の平安時代、香川県善通寺市に生まれました。遣唐使で中国に渡り、中国より真言密教をもたらした真言宗の開祖としても知られています。

弘法大師と言えば、「四国八十八箇所」が有名です。弘法大師ゆかりの四国にある88か所の仏教寺院の総称で、四国霊場の最も代表的な札所になります。四国八十八箇所を巡礼することを四国遍路、遍路といい、各札所を巡ってお札を収めたり、御朱印をいただいたりしながら、巡礼者はそれぞれの目的を祈願します。その距離は全周で1400㎞になります。

宗教的な思想などを除けば、「周遊型観光」ですし、「スタンプラリー」だったりするわけで、お寺そのものに落ちるお金以外にも、長期間の旅行で発生する「宿泊費」「飲食費」は膨大になります。「御朱印帳」に代表される「グッズの販売売上」もかなりものと思われます。

恐らく、お遍路さんをターゲットとして、宿泊施設、飲食施設が整備され、お土産物などの特産品も開発されたのではないでしょうか?それが四国全体に点在しているわけですから、経済効果は絶大と言えるでしょう。

実際、88か所を巡るのは大変で、1400㎞は車でも大変です。そのため、参加しやすい工夫もされていて、一度に周らなくても、順番を問わず、分割して巡っても良いことになっており、参加しやすい要因になっています。そのため、遠方からだけでは無く、地元の参加者も多いそうです。

実際には、弘法大師が定めたのか、弟子の方なのか、他の方なのかは様々な伝承があり、不明な点もありますが、弘法大師の盛名がきっかけとなったことは間違いありません。1200年に渡り、生まれ故郷のある四国にもたらした経済効果、ブランド効果などは絶大ですから、弘法大師は有史以来、日本NO1のツアープロデューサーと言えるでしょう。

日本古来の旅行としては、お伊勢参りなどもありますが、このような「昔からある旅行」について、色々と調べてみると、これからの旅行業界にとってヒントになることもあるような気がします。

令和3年4月25日

中小企業診断士の特徴?

昨日、支援機関の方を話をしていたのですが、税理士、弁護士、社会保険労務士、行政書士など、色々な士業の方が管理しているFacebookなどのSNSを見ていると、士業によって色々な特徴があると言われていました。

中小企業診断士のSNSの投稿内容の特徴はなんでしょうか?

私もですが、中小企業診断士は出張であちこちに行く人が多いので、各地で食べた料理の投稿が際立って多いとのことでした。

中小企業診断士の場合、各地の都道府県の支援機関などを訪問して仕事をしたり、セミナーをしたりする仕事が多いことから、定期的に訪問する場所やお店もあり、ついつい食べ物の投稿が多い傾向があるようです。

実際、私もそうですが、仕事絡みのお店、例えば相談対応した事業者様とか、セミナーに参加していただいた事業者様のお店で食事をすることもありますし、訪問先のお客様に紹介していただいたお店を紹介しますから、応援の意味を込めてSNSに投稿する機会は多いと思います。

私の場合は、あまり「仕事感」は出さないようにしていますが、仕事で訪問させていただいた地域を応援する意味、過去にその場所で出会った人に私の投稿を見て思い出していただく意味、などがあって投稿しているような気がします。

実際はなんとなくで、あまり考えてはいませんが。

ただ、セミナーなどでSNSの説明をしたり、店舗へのアドバイスなどでSNSの活用を提案したりしますので、「教える立場の人間がSNSをしていない」というのは恥ずかしいですし、説得力が無く、信頼していただけないと思っています。最低限ではありますが、そこそこの投稿をして、そこそこの成果をだしているような状況です。

中小企業診断士以外の士業の方も、当然、出張はあるでしょうし、出張先の出来事をSNSに投稿する方もいるとは思いますが、比較的、拠点地域で仕事をされている方が多いようにも思います。

もしかしたら、地域の美味しい食べ物を探そうと思ったら、中小企業診断士のSNSをのぞいてみたら良いかも知れません。

ちなみに、私のインスタグラムは「食べ物」しか投稿しないように、自分でルールを決めています。良かったら覗いてみてください。

「私のインスタグラム」

令和3年4月24日

スイカの中身を透視する?

スーパーマーケットの売場にスイカが並び始めました。季節としてはまだ早いですが、夏になると果物コーナーでの売上構成比が圧倒的になる夏の主力商品です。

ちなみに、今の時期はまだイチゴの売上が大きく、メロンなどが本格化するまでは、輸入フルーツなどの構成比も高くなる時期です。

昨年ですが、スーパーマーケットの売場で「空洞果」が販売されていました。これはスイカの実の部分に空洞が生じてしまうものですが、見た目が悪いので安価で販売されています。個体差はあると思いますが、一般的には味は悪くないと言われています。

売場で中学生の娘に「空洞果ってなに?」と質問され、上記の説明をしたのですが、続けて「空洞じゃないのわかる?」と質問されました。元々、仕事で果物も扱っていましたので「わかるよ」と回答して、実際に選ぶことになりました。

良く言われていますが、スイカは表面を叩くと中の空洞の有無がわかります。音の高さや振動の有無で判断するのですが、慣れが必要でもあります。一応、元プロのプライドもありますし、親の威厳を保つ必要もあるので、慎重に選びました。

もうひとつ、ついでの豆知識ですが、スイカの種を避けて切る方法があります。実はスイカの種は黒いシマシマの部分にあるので、黒のシマシマの間を切ると種を避けてカットすることができます。種を少なく見せるため、種を切るとカット面が荒れることから、種を避けて切るお店も多いと思います。

さて、スーパーマーケットで「空洞果」として安価に販売されているスイカを購入し、更には種を避けてカットすることを明言して、子供の前でスイカをカットしました。結果は下の写真の通りです。

スイカ

 

 

 

 

 

空洞果を避けて購入し、種も避けてカットすることができました。味もなかなか美味しかったです。

子供からは「スイカの中身を透視してるみたい!」と言われましたが、果物を扱っていた方であればできる芸当?ではあります。覚えておけば年に1回くらいは役に立つかもしれません。

時々、「カットフルーツ」や「果物かご」の作り方を相談されることがありますが、恐らく、中小企業診断士でこのような内容を相談される人は少ないのでは無いかと思います。その他、「刺身の盛り付け方」などの相談を受けることもあります。

これらの知識が、中小企業診断士になってから役に立つとは思っていませんでしたが、これからも活用していきたいと思っています。

令和3年4月23日

「矢立て」をご存知でしょうか?

先日、「矢立て」を入手しました。「矢立て」をWikipediaで調べてみると、次のように記載されています。

矢立(やたて)とは、筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記用具。材質は金属・陶・竹・木などがある。形状は角材状の本体に墨壺と筆の収納部を設け、その上にスライド式に開閉する蓋を取り付けた檜扇型と、墨壺に筆を収納する筒を取り付けた柄杓型、墨壺と筒を紐で繋いだ印籠型に大別される。柄杓型は一見喫煙パイプのような形をしている。頑丈で握り具合も良く、携行していても怪しまれないため、筆筒に針や刃を仕込んだ物は護身用の隠し武器としても重宝された。

私が実際に持っているのは下の写真の通りになります。これ以外に3本、計4本を持っているのですが、なかなか良くできています。作られた時代はわかりませんが、江戸時代とは思えないので、大正時代以降のものだと思います。万年筆の普及、生活様式の変化、筆ペンの登場などにより、現在ではほとんど見かけることは無くなり、入手が困難になりました。

矢立て①

矢立て②

 

 

 

 

 

見ての通り、墨を入れる場所、筆を収納する場所があり、なかなか良くできており、実際に使用することもできます。洗練されている印象も受けます。

広島県熊野町は筆の産地で、現在では「化粧筆」が有名になっています。私も熊野筆メーカー様の何社かと一緒に仕事をさせていただきましたが、通常の筆から「化粧筆」や「画筆」にシフトしているのが実情です。

この「矢立て」、字を書くことはもちろん、外で絵手紙を書いたりする時にも使えそうですし、現代に蘇らせても面白そうな気がします。

書道用、絵画用の筆が再評価されるようことがあれば、この矢立ても再評価されることがあるかも知れません。

また、江戸時代には「隠し武器」にも使われていたようですし、他の方法にも使用できるかも知れません。

今度、筆メーカーさんに持参して、色々と意見をお聞きしたいと思っています。

令和3年4月22日